【ワクワクするビジネス_No8~J2リーグの経営 アルビレックス新潟】
野球好き、サッカー好き会計士のいとけんです。
今回は、Jリーグマネジメントカップ2020のJ2カテゴリーで
優勝となった新潟アルビレックスについて特集してみます。
マネジメントカップ2020のJ2部門で、
初めて新潟アルビレックスが優勝しました!
新潟は経営戦略分野で1位、マーケティング分野、財務状況分野で4位、
経営効率分野で2位と各分野で安定して好成績を収め、
2位の北九州を6ポイント差でかわし見事初優勝を果たしました。
新潟県は端から端までが長く日本の中で広い県の一つですが、
2019年にホームタウンを新潟県内全ての市町村とし、
県内での認知率はJクラブ屈指を誇っています。
地域に根ざしたクラブの代表格であるがゆえに、
コロナ禍による入場料収入の激減は避けられませんでしたが、
代わりに物販収入の増加等で売上高の減少を最小限にとどめ、
底力を発揮する結果となりました。
コロナ禍で様々な活動が制限されていますが、
クラブもサポーターも「アイシテルニイガタ」を掲げ、
さらに地域へ浸透していくクラブの動向に注目です。
FM面(フィールドマネジメント面:競技面)では
11位と中位に甘んじましたが、
BM面(ビジネスマネジメント面:経営面)では、
平均入場者数でトップ(5,629人)となったのをはじめ、
各KPIで平均的に高い水準を記録しました。
新潟は1999年からJリーグに加盟していますが、
その後2000年代中盤にはJリーグ最多の入場者数を記録するなど、
地方クラブでありながらJリーグ有数の人気を誇るクラブです。
クラブが実施した調査でも、
新潟県内における認知率は96%、
ファン率(「とても興味がある」「まあ興味がある」と回答した人の合計)は48%と、
極めて高い認知と人気を獲得するに至っています。
中野社長によると、クラブ創設当時は、
雪が降るサッカー不毛の地でプロ化は無謀だという批判の中で、
お金なし、施設なし、そして経験なしと、何もない一からのスタートだったそうです。
常に、新潟県民から愛されるクラブになるためにはどうすればよいか
ということを考えながら、
「すべては新潟のために」ということを軸に据えながらクラブ経営に取り組み、
新潟県民の支えによってここまで来ることができたそうです。
「すべては新潟のために」を象徴する特徴的な取り組みとして、
「地域の方々(ファン・サポーター)」に対して、
「3つの楽しさ」をつくるという方針の共有という取組が挙げられます。
その3つとは、
「スタジアムが楽しい」、「練習場が楽しい」、「新潟が楽しい」
ということであり、
この3つの楽しさが提供されているかを、
地域の方々が楽しんでいるかどうかの判断基準にしながら
全てのクラブスタッフが活動していることがクラブの強みになっています。
そして、中野社長がプロスポーツ興行という点で最も重視しているのは、
スタジアムにいかに足を運んでもらうかということであり、
スタジアムが常に満員のファン・サポーターで埋め尽くされることが
成功のバロメーターであると考えられています。
特に、ファン層の裾野を広げるべく、
サッカーに興味がない方が試合を見た時に、
サッカーの面白さ、スポーツ観戦の楽しさ、大勢で集う楽しさを体験してもらうための
きっかけづくりに、強いこだわりをもって取り組んでいます。
なかでも、スタジアムに来場してもらうために、
クラブから一方向の呼びかけだけではなく、
クラブ側から地域に出ていくということを重視しているそうです。
具体的には、新潟は南北に30の市町村に分かれる広い県ですが、
これを7グループに分けたうえで、全ての市町村に担当の選手を決めて、
担当選手はその地域のことを知る努力をすることで、
地域の方々からは逆に選手を知ってもらえるようにすることに取り組んでいます。
結果として、
この取り組みが地域の方々から愛されるクラブになる一助となっているとともに、
選手が地域を知る努力をすることを通じ、
クラブの理念を自然と理解することにもつながっているようです。
こうした、クラブ創設当時から、
「すべては新潟のため」といった明確なメッセージを
ブレずに発信し続けて、
さらに、その熱い想いを伝えるために、
ユニークな戦略・行動を選択しているということが、
今回のビジネスマネジメントでJ2部門優勝という結果につながり、
地域の人々から愛されるチームになっているのだと思います!!
熱い想いを持って行動し続けていたことで、
その想いが少しずつ伝わっていくというのは素晴らしいですね(^^)/
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