Not music but music, so strange but pop
ギリシアの哲学者プロティノスは永遠を定義しようとした。その定義するところに数字や運動と並んで音楽が含まれていたことは興味深い。さらに興味深いのはそれがメロディではなく、和声とリズムだとしていること。嗚呼、永遠とは和声とリズム、永遠とは反復(メロディも反復だと思う気持ちを抑えつつ)。なんたる発見!おそるべし。
反復にして反復にあらず。この作品が永遠ではないことはむしろプロティノスの反復を補強し、そのうえでやがて終わることに対する美しさにも向き合っている。なんたる配慮!おそるべし。
さて、反復に想いを馳せる時、際立つのは記憶の曖昧さではないかと思う。反復する現象は個々の記憶を次第に曖昧にしていく。曖昧な記憶はどこかで時間を超えていく。プロティノスが和声とリズムに永遠を見たのだとしたらまさにこの点に着目したということではないか。なんたる慧眼!おそるべし。
“Isn’t life a series of images that change as they repeat themselves?” — Warhol