見出し画像

#番外編 『虹の学校』に行ってきた!後編

မင်္ဂလာပါ။ (ミンガラーバー!)かうんぞーです。11月の下旬に、サンクラブリーにある『虹の学校』に4日間お邪魔してきました!今日はそのうち3日目と4日目を振り返って見たいと思います。
前編はこちら!↓

虹の学校のホームページはこちら↓

いざ、稲刈り初日

 私が訪れた時期はちょうど収穫シーズン。滞在2日目は普通の授業でしたが、3日目はジャスミンライスの稲刈りにみんなで行きました!(中学生は中学校に行きます)車で10分ほどかけて、インディジョーンズのワンシーンのような林の中の畦道をトラックの荷台で揺られながら田んぼへ向かいます。

後ろの荷台にぎゅうぎゅうで向かいます
まさか車で川を渡るとは、、、汗

 田んぼに着くと、いよいよ稲刈りです。これを全部刈るのか、、という絶望的な広さで、でも例年より涼しいらしく、まだ今年は楽な方だとも思いながらいざ開始。ゆうすけさんの大工仲間も手伝ってくれて、刈っては後ろに並べて、後ろに並べては刈り…を各々ひたすら繰り返します。子どもたちは毎年やっているから慣れていてすごい速さで刈っていくのでびっくり。でもそれに合わせて素人の私がスピーディーにやろうとしたらきっと自分の手を収穫してしまうので、自分のペースで進めていきます。
 8:30ごろからほとんどノンストップで稲刈りをし、11時頃お昼休憩になりました。調理器具や食材を学校から持って来ていて、田んぼにある小屋でご飯を作って食べます。

調理風景。メーシュシュ先生、スカウ先生を中心に私たちのためにご飯を作ってくれます。玄壮もお手伝い中。

 ご飯の後、昼休憩を長めにとって(昼は本当に気温が上がって大変なので)、午後からまた稲刈りです。自給自足でお米を育てているので、雨が降ってお米が腐ってしまうと自分達のお米が食べられなくなってしまいます。でも自給自足だからこそ、自然を相手にするということの厳しさを理解できると思ったし、自分の手で大変な思いをして一つ一つ稲を刈ることで「いただきます」「ごちそうさま」の深い意味を考えることができるなと思いました。
 夕方は学校から帰ってきた中学生たちも加わってくれて、暗くなるまで作業を進め、3分の2ほど刈り終えました。夜ごはんもみんなで田んぼで食べて、1日目の稲刈りが終わりました。

まずい、腰が、、、

 4日目、滞在最終日。見事に腰をやられていました。素人が一日中稲刈りをするとこうなるんですね。まだ若いのに。しかし、稲刈りをフィニッシュするため今日も田んぼに向かいます。体は全体的には軽いのですが腰だけ異常にしんどくて、昨日のようにペースが上がらず、、、休憩を挟みながら、それでも少しずつ進めていきます。
 最後の区画になると、「あと一息だ!」と思い、腰痛も忘れてペースアップ。なんとか午前中に全てのジャスミンライスを刈り終えました!また小屋に戻ってみんなで昼ごはんをいただきます。

ご飯がすすむ最高の味。たくさんおかわりしてしました汗
みんなで一枚。働いた後はご飯が美味しいね!!

ここで飛ばなきゃ帰れない

 午後は隣の畑のお手伝いを少しして、みんなで学校に戻り、そのまま近くの川に向かいました。田んぼに行く途中に車で渡った川の下流だそうです。ここでみんな好きに泳いだり水を掛け合ったり、川沿いの崖から川に飛び込んだりして遊びます。私も参戦しました^ ^

崖の下は全く足がつかないほど深い

 子どもたちに連れて行かれて崖の上へ。下から見ると大したことなさそうですが、いざ崖から川を見ると普通にめっちゃ高い、、、でも、こどもたちも見守っているし、もう飛ぶしかありません。ここで飛ばなきゃ帰れない。子どもたちのカウントダウンに押され、決死のジャンプ!内臓が飛び出るような、ジェットコースターとかで味わうあのフワッとしたやつが本当に苦手なので、死ぬかと思いました。
 1回やれば慣れるだろうと思い2回目。全然慣れてませんでした。また、死ぬかと思いました。恐怖以外の感情がありませんでした。もちろん3回目はありませんでした。

飛び込む瞬間の私。飛んだことを後悔しながら水中に消えていきました。

タイにいても当事者、日本にいても当事者

 少し真面目な話です。田んぼに向かう途中、ゴムのプランテーションの中を通っていくのですが、教科書で何度も見た言葉である「ゴムのプランテーション」、でも初めてそれがなんたるかを見ました。

大規模なゴムの林
樹皮に傷をつけてゴムを採取する

ゴムと教育

 虹の学校のこどもの中には、両親がプランテーションで仕事をしているという子もいます。プランテーションでの仕事は、日中だとゴムが固まるので夜のうちに採取を行わなければなりません。木からゴムが取れなくなったら移動しなければなりませんが、そうして両親と一緒に移動しながら暮らしていくと子どもも学校を変えなければなりません。
 また、いうまでもなく、ゴムのプランテーションは大切な山々の木を切り倒して広がっていきます。失われていく豊かな自然プランテーションでの低賃金労働、それに伴う子どもたちの教育の問題。しかしその先にあるのは、そうしてできたゴムの恩恵を受ける私たちの便利な生活なのです。そういった現状を、現地に行って見て聞いて、初めて深く知ることができるのだと思いました。タイのこの地で暮らす人々はゴムによってこうした問題に直面している当事者です。しかし、日本で、先進国で暮らす私たちの生活がそのような犠牲の上に成り立っていることを考えれば、プランテーションの土地保有者やプランテーション自体に貢献してしまっている私たちもまた当事者なのです。
 当事者意識をどこまで持てるか、いかに他人事で片付けずに向き合えるか。すぐに行動に移すことは難しい大きな課題ではありますが、まずは意識から始めなければなりません。

最後に。幸せってなんだろう?

 サンクラブリーに来て、虹の学校にきて、たくさんの方に出会うことができました。普段の学校の様子も知ることができたし、貴重なガチ稲刈り体験もできたし、子どもたちと本当にたくさん遊んで楽しい時間を過ごすことができました。でも特に印象的だったのは、ここで暮らすみんなの笑顔です。ありきたりなことを言っているようですが、実際に来ると分かります。なんでこんなに楽しそうなんだろうって。
 たとえば大工さんたち、みんなタイ語を話すけれど、タイ人はいません。ミャンマーの山岳地域からやってきた人ばかりで、ここまでくるのは決して楽な道のりではなかったはずです。稲刈りをした広大な田んぼを持っている方は、幼い頃から少数民族の軍に所属し辛い経験をして、仕事を求めてタイに来て不法労働で捕まり靴すらも持たず体ひとつでタイ国境に連れて行かれ、そこから地道に働いて様々な経験をして、自分の家を建てて田んぼを持つまでになったそうです。
 ここで暮らす人々は現在も決して裕福な暮らしをしているわけではなく、それでも、その日その日を楽しく生きている、それが全てだ、というような印象を受けました。稼ぐことが幸せなのか?裕福に暮らすことが幸せなのか?それだけが「豊かさ」なのか?と考えさせられました。
 冗談を言ったりしながら楽しく畑仕事をして、仕事終わりに丸く囲んでみんなでお酒を飲みながらワイワイやって、、そういう日々を過ごすことそれ自体が一つの幸せであり、人生を楽しむってこういうことなのかな、と思いました。

 4日目の夜、最後は学校の子どもたちに引き止められながらも泣く泣くお別れとなりました、、、メーソートでのボランティアもあるので、4日間しかいられないのも仕方ないのですが、本当に寂しくて帰りたくなかったというのが正直なところです。またこの場所に来たい、そう強く思いました。
 その後はサンクラブリーのゲストハウスで泊まり、翌朝、学校でみんなで歌ったCountry Roadを聴きながらバスに揺られ、サンクラブリーを後にしました。

 たった4日間とは思えないほど沢山のことを経験することができ、幸せな気持ちでいっぱいです。朋子さん、ゆうすけさん、虹の学校の先生方、Sneha、子どもたち、本当にありがとうございました!!

with 朋子さん
4日間お世話になりました!!
with Sneha
Thank you for welcoming me !!

 次回は風邪をひいた話です、、↓


このブログについて

 このブログは、任意団体Listening to Communities(LtoC)の紹介を通じて、現地ボランティアの機会を得た日本人の学生が書いています。LtoCは、タイ国境で暮らすミャンマーの土地を追われた人々や、弱い立場にある移民の人々を支援する団体です。日本の学生と現地をつなぐ教育・交流活動も行なっています。団体の詳細についてはこちらをご覧ください。

 LtoCでは皆様からいただいた寄付金で支援を行なっております。いただいたご寄付は、子どもたちのGED(大学進学を目指す際に必要となる米国の高卒認定資格)の受験料をはじめとする教育支援に大切に使わせていただきます。皆様からのご支援をお待ちしております。ぜひご協力をお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?