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iroro
今年の願いごとは、なんだか忘れない気がする
七夕の短冊に書いた願いごとを、一つも思い出せない。どうしてだろう。小さい頃から何十回と書いてきたはずなのに、なぜか一つも思い出せない。
七夕に限ったことじゃない。お正月をはじめ、神社に行くたびに手を合わせて何かを願うけど、その内容をほとんど思い出せない。彼女が欲しいと頼んだ気もするし、家族の健康を願った気もする。
冷静に考えると、なんて勝手なはなしなんだろう。
大学生の頃、お世話になっていた先生に言われたことがある。
「相談に乗ってという学生は多いけど、後日その報告をしてくれる学生は少ない」。
うん、確かにそうだ。いち学生としては「そんなことないですよ!」と言うべきだったのかもしれないけど、妙に納得してしまった。
ぼくたちは自分が思っている以上に勝手なのかもしれない。
今朝、ホテルの館内に設置している七夕装飾が気になり、仕事を抜け出してこっそり見にいった。
コロナの収束を願った短冊が多い中、ひとつ、こんな願いごとを見つけた。
みんなの願いが叶いますように。
深呼吸をしたときのように、胸が満たされたあと、スッと楽になった。
世の中、勝手な人ばかりじゃない。
ぼくは、時折り風に揺られる短冊を眺めたまま、「どんなステキな人が書いたんだろう」と勝手な妄想を膨らませていた。
新しい短冊を手に取り、周囲に誰もいないことを確認してから、ぼくも同じ文章を書いた。できるだけ丁寧に、気持ちを込めて。
今年の願いごとは、なんだか忘れない気がする。
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サークル仲間のふらりさんの記事で知りました。
(こちらの記事もすごくステキです…!✨)
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