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【ロースクール早慶戦】「早稲田既修」か「慶應未修」か。W合格した私が“留年率”と“ブランド”で悩んだ末に出した答え
はじめに
ロー入試は受かるまで悩みや不安が消えることはなく、受かった後も進路選択に悩むものですよね…本格的に悩み始めるのは入学手続き金を納める期間だと思います。なんてったって、高いからですね、入学手続き金。
私は早稲田ロー既修と慶應ロー未修に合格をいただき、どちらに進学するべきか非常に悩んでいる真っ最中です。慶應ローは一次手続き金が10万円(返ってこない)、二次手続き金が86万円。
早稲田ローは一次手続き金が96万円(そのうち30万円は返ってこない)。さすが私立、期待を裏切らないですね。
早稲田ロー既修と東大ロー未修で迷うなど、同じような悩みを抱えている人は少なからずいるのではないでしょうか?
そこで、早稲田ローと慶應ローを比較し、悩むポイントを考察しながら、私が最終的にどちらを選択したのかについてお伝えしようと思います。
(ライター:Alice/The Law School Timesライター)
早稲田ローと慶應ローの比較
まず、両ロースクールの客観的要素を比較してみます。
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私はありがたいことに時間的・金銭的な制約はなく、四大法律事務所に行きたいという野望もありません。そのため、通う年数、学費や就活は進学先を決める要素になりません。
一番の優先事項は「確実に一回で司法試験に合格すること」なので、留年率が悩むポイントでした。私は勉強開始が遅かったことから、慶應ロー未修で基礎から学び直すことが司法試験合格に必要なのかもしれないと考えていました。それと同時に、担当教授、出題論点、評価方法によっては留年するか否かは運ゲーともいえることから、司法試験に漕ぎつく前に留年してしまうリスクを踏まえて、そのリスクの低い早稲田ロー既修にいくべきなのかもしれないとも考えていました。本当に悩みまくりです。
いろんな人に聞いてみた
私はこの「早慶戦」の相談を、知り合いの弁護士の先生や今年在学中受験で合格した先輩を含め約15人の方にしました。
以下、回答していただいた内容をまとめます。
早稲田ロー既修派
大学の民訴の教授
→ 司法試験は短期決戦だから2年間だけ集中して勉強するべき。
現在ロ―生で在学中受験した先輩たち(早稲田・慶應・一橋・東大ロー)
→ 早稲田ロー既修に受かる実力があるなら、あえて未修に行くのはもったいない。また、未修という魔の空間がよろしくない。
LSTimes:サカモトさん
→ 早稲田ロー既修に受かっているなら未修に行って司法試験受験を1年待つ理由がない。
慶應ロー未修派
大学の税法の教授
→ 教育環境をみたときに慶應ローの方が良い。
LSTimes:しんかわさん
→ 修了後のつながり・就活をみたときに慶應ローの方が良い。
(しんかわさんは慶應ロー未修 vs 一橋既修でも、慶應ローを選ぶくらい根っからの慶應ロー推し)
元検察官の弁護士の先生(60代)
→ 勉強歴が浅く、理解度も浅いから未修で基礎を固めるべき。
答案添削をしてくれていた弁護士の先生(40代)
→ 答案の型はできているけど、あてはめが薄いから未修で中身を充実させるべき。
SNSで出会った慶應ローの方
→ 慶應ロー未修1年の授業が法律の基礎を作り、司法試験合格につながった。
(この方も早稲田ロー既修か慶應ロー未修かで悩み、慶應ロー未修に進学し、在学中受験合格)
両親
→ 司法試験合格率がトップ!
まとめると、年齢が近くて在学中受験で司法試験に合格した先輩たちは早稲田ロー既修推し、年齢が高い教授たちは慶應ロー未修推し、という結果になりました。
さて、どっち…⁉
気になるのは、結局どちらを選択したかということですよね。
結論からいうと…早稲田ロー既修です!!!
早稲田ロー既修に合格してからの、私の心情変化は、こんな感じでした。
慶應ロー未修にいこうかな(10月)
↓
やっぱり早稲田ロー既修?(11月)
↓
やっぱり早稲田ロー既修!(12月)
私は法曹を目指し始めたのが遅く、ロー入試対策の勉強開始も遅かったので、慶應ローの結果発表後、慶應ロー未修が良いかなと思っていました。早稲田ローの合格発表後も、早稲田ロー既修でやっていける自信はなかったので、10月は慶應ロー未修に心を決めていました。
早稲田ローに心が傾いたのは、11月後半になってからです。私の大学はかつてロースクールがあり、そこでの司法試験合格祝賀会があったので話を聞きに参加してきました。在学中受験で合格された先輩たちに悩みをぶつけると、「絶対早稲田ロー既修!」と言われました。相談することにより、それまで抱いていた「早稲田ロー既修ではついていけないかもしれない」という不安が払拭されていきました。
最後のひと押しになったのは、一橋ローの二次試験の合格でした。12月12日に一橋ローの二次試験を突破していることが分かり、早稲田ロー既修合格はまぐれではないのだと、自信をもつことができました。
*一橋ローは、一次がTOEIC、二次が法律科目試験、三次が面接です。
このような感じで、私のロースクール早慶戦は早稲田ロー既修に落ち着きました。比較的短時間でロー入試合格に手が届いたことから、私の性格上、レベルの高い既修組にくらいついていく方が成長し、司法試験合格を確実なものにできると考えました。
いや~、早稲田ロー既修と慶應ロー未修、どちらにいっても誤りではないので、非常に悩みました。9月から12月まで悩みましたね。なんなら今も100%ではないですし、ロー入学後もこれで良かったのかと考えるはずです。
ですが、司法試験合格を目標に設定するのであれば、早稲田ロー既修に行くべきだというのは心の中でわかっていました。もちろん、慶應ローブランドは今でも捨てがたいですけどね(笑)
さいごに。進学先に悩む人たちへ
私は進学先を決める上での軸がない分悩みました。
みなさんの中には、大学1年次から勉強してきて既修合格があるのだから既修に行くという人や、四大に行きたいから慶應ローが良いという人、直感的に好きな方を選ぶ人、金銭的・時間的な制約がある人など、何かしらの決定打がある人もいるでしょう。そういう方は進学先をどちらにするかで悩むことはないと思います。
他方、決定打がない人は、自分が何を欲しているのかを考える必要がありますね。実際は自分の心は決まっていて、誰かに背中を押してほしいだけなのかもしれませんが…
私の経験上、ぐるぐる考えて結論がでないときは人と話すのが手です!特に目指す道の先人に聞くのがおすすめです。
悩んで悩んで悩みまくって成長して人生エンジョイしましょう!悩んだ結果、違う道に目覚めるのもまた人生ではないですか!
そして、一緒に司法試験合格目指してがんばりましょう!笑
The Law School Timesは司法試験受験生・合格者が運営するメディアです。「法律家を目指す、すべての人のためのメディア」を目指して、2023年10月にβ版サイトを公開しました。サイトでは、司法試験・予備試験やロースクール、法律家のキャリアに関する記事を掲載しています!noteでは、編集部員が思ったこと、経験したことを発信していく予定です。
【修正・追記】2024年1月15日午前2時30分 記事中の図表内の最下段の項目名「就活(76期五大内定者)」を「就活(76期:五大法律事務所の所属弁護士数)」に修正しました。また同項目について合計人数を追記しました。
【修正】2024年1月15日午後14時32分 慶應未修派の大学の税法の教授の意見について、「 授業内容をみたときに」を「 教育環境をみたときに」に修正しました。