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【コラム】「子ども食堂」が"高齢者"の憩いの場に!?

貧しい家庭の子供たちに食事を提供する善意の場所としてスタートした感がある子ども食堂ですが、各人の善意の行動から生まれるサービスだからこそ今や色々な形態で全国的に運営されるようになってきました。

その数、学童保育所にならぶ勢いで、「子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂」という定義を守れば訪れる人誰でも年齢に関係なく歓迎する形態になっていることが殆どです。そのため、食堂によっては子どもより高齢者の方が多いというびっくり現象が起きているのですが、それもまた地域のニーズを反映した反応といえるのかもしれません。

「子ども食堂をあてにしなければならない、そんなに貧しい高齢者が多いのだろうか」という疑問も沸きますが、実は費用の問題ばかりが原因ではなさそうなのです。

北海道のあるNPO法人が運営する月に一度だけ低額でご飯を提供するサロンに通う高齢者たちに話を聞いてみました。

「ここに来れば年をとっても元気な人たちに会えるから自分も元気になれるのよね」ゆっくり杖歩行とはいえ、まだまだ元気なSさんが言います。

「介護保険のデイサービスを進められて見学に行ったのだけど、あそこは体が不自由な人ばかりで気がめいって行く気にならないよ」。

それを受けてAさんが答えます。
「そうそう、デイだと子どもみたいな対応されて色々お遊戯させられて(笑)。ここは強制レクリエーションもない自然体だから長居しても疲れない」。隣で話を聞いていたMさんは「私は妻に先立たれたひとり者だから寂しいのだけれどまだ介護保険の対象にはならないといわれてね(笑)」と参加。

どうやら介護保険サービスを利用するにはまだお元気だったり介護保険の対象にはなっていない方たちの憩いの場になっている様子です。昼食が低額である魅力は二の次という感じでした。

訪れる子供たちの世話をしたり若いお母さんの相談相手になるのが楽しいという声も聞かれました。ここでは老若男女自然と会話が生まれ、世代間交流が行われているようです。

運営者も「ここは子どもたちは勿論、誰にでも来てもらいたいからあえて子ども食堂とは呼ばずサロンと呼んでいます」と話します。「来る人がお客さんにもなり支援者にもなる空間です」。人と人、行政の仕組みやサービスの隙間を埋める、そんな民間活動のひとつが子ども食堂なのかもしれません。

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