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効果検証入門:感想

今回は「効果検証入門」の第1章をを読んでの解説と感想です。

なるべく分かりやすい表現で記載します。

そもそも本書で説明したいこと

一言で言うと「ビジネスにおいてとったアクション(施策)が売り上げやKPIに対してどの様な影響を与えたか統計的に因果関係を改名する」方法が記載されてます。

具体的な例を挙げると、「CMを作って、そのCMによって売り上げが伸びたかどうか因果関係を解明する」といった内容です。

因果関係、つまり「原因とそれよって生ずる結果の関係」です。
相関関係と似てるので間違えない様にしましょう。

因果関係と相関関係についてよく分からない人は下記の記事を参考にして頂ければと思います。

この因果関係の求め方や、求める際の注意点について説明されてるのが本書です。

それでは章毎に記載されてる内容の要約と、個人的な感想を書いていきます。

前章:嘘っぱちの効果とそれを見抜けないデータ分析

ここでは「そもそもバイアスとは?」という疑問に対する解説や本書の大まかな流れが記載されてます。

具体的な例として教育方法による成績の影響を調べたいときに、どんなバイアスが生じる可能性があるかといった例などが分かりやすく記載されてます。続いて本書の構成についても図を使って解説されてます。

*本書から引用

上記の図が本書の流れを記載した図になります。ピンとこない方は単語だけでも調べておくと本書に入りやすいかなと。

第1章:セレクションバイアスとRCT

導入として「そもそも因果関係を求めたいシチュエーション」についての具体例が挙げられてます。例えば「商品やサービスのリニューアルが売り上げに与える影響」を調べたい時や、「広告が売り上げに与える影響を調べたい時」です。

上記の様な調査をする際に注意しないといけない「セレクションバイアス」についてや、調査方法の1つの「RCT」について触れられてます。
更にRCTを行った後に統計的に差があるのかを確認するt検定も解説されてます。

第2章:介入効果を図るための回帰分析

初めに「単回帰分析」の概要について解説してくれてます。私は少しだけ統計の知識があったのでここら辺はすんなりクリアできましたが、「そもそも回帰分析って何?」と言う方は下記の記事を参考にして頂ければなと。

その後にセレクションバイアスを減らすための解説、OVB(脱落変数バイアス)や交絡因子の概念に進んでいきます。簡単に言ってしまうと「回帰分析をする際に必要な共変量が無かったらセレクションバイアスが高くなってしまうよ」と言うことです。(かなりざっくりです)
その後にCIAの解説に移っていきます。

上記の回帰分析を使った探索的な効果検証の具体例もあるのでイメージはしやすいかなと思いました。

第3章:傾向スコアを用いた分析

第2章で記載されてる回帰分析では共変量の選定が重要で非常に難しいプロセスです。共変量の選択も難しいければそもそもデータが得られない可能性もあります。そんな時に用いるのが傾向スコアを利用した効果の推定です。
具体的には「傾向スコアマッチング」と「逆確率重み付き推定」が解説されてます。

傾向スコアについての説明はちょっと分かりいくかったのですが、傾向スコアマッチングの考えは分かりやすいので「傾向スコアの意味がわからん!!」と言う方でも傾向スコアマッチングを知れば腑に落ちると思います。

個人的にこの章で肝になるのは下記の2点かなと。

・傾向スコアマッチングと逆確率重み付き推定の違い
・ATTとATEの違い

第4章:差分の差分法(DID)とCausallmpact

導入で「差分の差分法」に触れられてます。時系列に沿った実験方法や具体例も解説されており分かりやすいです。
個人的には一番しっくりきた章です。

ただこの「差分の差分法」にも欠点があり、それを補うことができる分析方法としてCausallmpactが解説されてます。

第5章:回帰不連続デザイン(RDD)


上記の図を見て分かるように境界線で差があります。この差のデータ付近に着目して効果を検証する方法である「RDD」について解説してくれてます。

このことを考慮して不連続なデザインにすることで境界線のバイアスを少なくできる、と言う考えです。
こちらも具体例が記載されているので分かりやすかったです。

感想

正直数式を完全に理解することはできませんでしたが、それでも具体例を用いて分析方法だけでなく、実験計画の方法から解説してくれてるのでとても分かりやすい本でした。

私の今の業務はデータサイエンスというよりはデータエンジニア寄りの仕事なのでこれからデータサイエンス領域を目指す人におすすめです。ただ、このレベルの仕事を現場で行う自分が今は想像できません(汗)

とにかく勉強あるのみだと再認識させられました。

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伊藤 信之介
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