夕飯は親子丼
プールの後、耳の中にいる水を大きく感じる。去年から愛用している耳かきカメラでのぞいても小さな水滴がいくつかあるだけだった。
いろんなデバイスの壁紙にいろんな二人の笑顔が並ぶようになった。当たり前に同じごはんを食べて同じ洗濯機で服を洗う。私はできるだけ日々ぼんやりできるように仕事量を調節しているから平日の日中の明るい静けさを愛することができる。近所で働く人の音が聞こえる。幼稚園帰りの子どもが遊んでいる。空は青い。
わかっていたことだけど
ひとりより二人のほうが楽に呼吸できる。逃げ場なのか拠り所なのか守るべきものなのか。好きに定義すればいい。もうひとりになりたくない。
でも、ひとりだったときの思い出はキラキラしている。大の字に体を投げ出して静かに眠りについていたこと、夜中に寝付けなくてカップラーメンを食べながらテレビを見たこと、静かな部屋で花を活けていたこと。
水の中にいるとどこまでも行けそうな気がする。リズムよく走っているときも同じ。体は軽く空は高く馬は肥える。これからもいい季節を過ごすことを確信する。
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