【報】書籍『The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集』、刊行決定!
2023.11.16の深夜、衝撃の情報がXにポストされました。
最初に知ったきっかけが熊谷さんのポストだったので、発売元公式とどちらも貼り付けておきます。
裸のラリーズの中心メンバーである水谷孝さんは、大学時代に最初は詩の研究会に所属していたそうで、バンドを組む前から詩人でありました。
やがて1967年に水谷さんは、中村武志さん、若林盛亮さんと共にロックバンド “裸のラリーズ” を結成するわけですが、その曲の歌詞はとても象徴的で、耽美、抽象的な詩作で、極めて独創的でした。
今回はそのラリーズで歌われた歌の詩と、写真家の中村趫さんの写真作品をコラボしてアート本として書籍化するみたいです。ちなみに中村趫さんは、先に書いたラリーズのオリジナル・メンバー中村武志さんのことです(※ラリーズ時代の名から今は変えて、写真家では中村趫として活動されてます)。
そして、書籍の詳細がよくわかる、ラリーズ研究家のMISHA前田さんのInstagram投稿です⇩
ラリーズはどれも好きですが、詩という観点で自分の好みをここに記します(※正式な公式アルバムに収録された曲のみ)。
・Enter the Mirror
・夜、暗殺者の夜
・記憶は遠い
・The Last One
・The Last One_1970
・黒い悲しみのロマンセ otherwise Fallin' Love With
水谷さんがジャン・コクトウに傾倒されていたのは有名ですが、『Enter the Mirror』の詩はまさにジャン・コクトウの映画 “Orphée” にて、オルフェがその指先を伸ばして鏡の世界へと飛込んでいく様相を表現されているのが、映画を見るとよく分かります(またこれは別曲『氷の炎』の詩の世界でも同様です)。
『夜、暗殺者の夜』という曲名と、その詩の内容「なにが お前の 飢えを 満たす」は、聞く者に大変なインパクトを与えてくれます。
『記憶は遠い』は惜別の歌。「僕たちの海は水たまりにかわり」「お前はあとを追うことはないと思いつつ あとを振り向き 振り向き ひとり旅に出る」と変わってしまったこと、それでも思い出を心にいだきながら、お互いの旅は続くのだと。
『The Last One』はこの書籍のタイトルにもなってますが、91年発売のCD作品3作全てにこの曲は収録されていて、そして実際のライブでもほぼ毎回に近い数、終演前の定番曲として存在し続けました。
『The Last One_1970』は1973年リリースのOZ DAYS LIVEやMIZUTANIに収録されていて、比較的初期の頃によく演奏されていたようですが、咆哮に近い熱唱をしていて、「でも僕は死にはしない」と叫び歌う様には胸に来るものがあります。
『黒い悲しみのロマンセ otherwise Fallin' Love With』は、僕とラリーズとの馴れ初めの記事に書いたとおり、僕の出逢いの曲であり、悲哀に満ちた海の歌。
しかも今回は音源付きというのが驚きです。
『イビスキュスの花』
イビスキュス…というのはどうやらハイビスカスの事のようで、1969年にレコーディングということなので上京する直前、まだ京都にいた頃でしょうか。
尺が約20分ということで、もしかしたらスタジオ音源ではなくライブ音源の可能性もありそうですね。
そして詩はオリジナルの日本語のみではなく、英語、フランス語でも訳され載るとのこと。これはもしかしたら今後、海外でのラリーズのカバー演奏が流行る可能性も出てきそうですね。
また書籍の寸法が独特で面白く「22.3 x 22 x 4 cm」、ほぼ正方形スクエアサイズ。
なおA4サイズが「29.7 × 21.0 cm」なので、イメージ的にだいたいA4の短辺の長さって感じですね。
発送予定は2023.12.1から順次発送とのこと。
(※2023.11.17現在)もうあと2週間ほど、あっという間に届きますね!