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はじめての旅行

三連休、恋人と松山に遊びに行った。
大学で松山に住んでて、その時は松山のこと全然好きじゃなかったし、もう、なんなら大嫌いだった。なんでこんなとこ来ちゃったんだろって。
恋人と付き合う前の電話で愛媛の大学に行ってた話になって、恋人も愛媛出身だから松山トークで盛り上がったのが楽しくて、この人となら松山行きたいなって思ったから付き合ったその日に旅行に行こうって誘った。

高速バスに揺られて4時間ちょっと。久しぶりの松山はあんま変わってないなって思ったのに、大街道入ってすぐにあった本屋さんがジムに変わっていてちょっと寂しかった。チェックインしてちょっと街をぶらぶらしようって外に出たら、土曜だったから土曜夜市がやってて浴衣を着た女の子がたくさんいた。わたしも浴衣着たい。どっかの花火見に行こうねってそればっかりで、具体的な話はぜんぜんしてくれなくてもどかしい。前にバイトしていた居酒屋に行くって決めていたから18時くらいに店に向かった。店に入ったら女の人が一人カウンターに座っていて、お客さんかなって思ってたら大将の彼女だった。わたしが2人で予約したからもしかして恋人を連れてくるかもって思って呼んだらしい。72歳で20歳下の彼女。やるやん。そこのお店は鰹のタタキが美味しいからそれと、バイト時代によくつまませてもらったタコの天ぷらが食べたいって言ったらいろいろ揚げてくれた。〆に穴子のお寿司をお願いしていたんだけど、昔はまるまる一本だったのが半分になっててちょっと寂しかった。でも味は全然変わってなくて、死ぬ前は絶対七味の穴子が食べたいなって思った。
よく大将に連れて行ってもらって、一人でもよく行っていたスタンドバーに行きたくなって、恋人を連れていった。マスター、行くの5、6年ぶりなのにわたしのことを覚えていてくれて、見たらすぐ分かったよー!って、超嬉しかった。恋人はお店で飲んでいた人たちと地元が近いとかで盛り上がっていて、一杯ごちそうになった。

ホテルに帰って、寝る前に誕生日カードを渡していないことに気がついて急いで渡した。恋人はすぐ読んでくれて、黙ってるからどうしたの?って聞いたらちょっと泣いててかわいかった。どこで泣いたのって聞いたら「今までのつらかったこととか全部、〇〇くんと出会うためにあったのかなって思うくらい」ってとこで泣いたって言ってて、それ本当だからねって念押ししておいた。そのくらい、今までのつらかったこと全部、報われたなって思っている。

次の日は恋人が朝食バイキングに行きたいって言うからしぶしぶ着いて行った。お味噌汁が愛媛の麦味噌で甘くて美味しかった。フレンチトーストが食べたかったのに、もう終わっちゃったのーっておばちゃんに言われてガッカリした。
お昼は愛媛っぽいものが食べたいって言うから、鯛めしを食べに行った。松山にいたときからちょっと気になっていて、でもいつも行列ができていたから行けたことなくて嬉しかった。丸ずしっておからのお寿司が超美味しかった。また食べたい。愛媛にこんな美味しいものがあるなんて知らなかった。

📍かどや 大街道店

おやつにクレープが食べたかったから、それまでちょっとお散歩して、コーヒー飲んで休憩してクレープやさんに向かった。銀天街にあるんだけど、銀天街はもうすっかりシャッター商店街になっていて悲しかった。クレープやさんの知り合いが結婚したって聞いたから、おめでとうが言いたかったのに日曜だからかお休みだった。残念。Cocoのクレープは生地がカリカリでめちゃくちゃ美味しいから、松山に遊びに行くことがあったら絶対食べてほしい。妹は免許取ったら絶対食べに行くって言ってた。かわいい。最近はずっとバナナクレープにハマってる。バナナクレープ美味しいお店あったら教えてください。


📍Crepe cafe Coco

夜は知り合いがやってる居酒屋に行こうと思ったら、まさかの閉店してしまっていた。行きたかった焼き鳥屋さんも休業で、恋人の知り合いの知り合いがやっている中華バルに行くことにした。鯛とはものお刺身の上に中華ソースとナッツが乗っていて、お魚とナッツって合うんだ!ってなった。あと、はもあんまり好きじゃなかったけどめちゃくちゃ美味しかった。また食べたい。空芯菜の炒め物も餃子も美味しくて、胡麻団子は中身が黒胡麻ペーストで絶品だった。

📍中華バル 藍天

ホテルに戻って、お風呂も済ませてあとは寝るだけってときにしょうもない喧嘩をした。すぐに折れちゃえばよかったのに、意地張っちゃって、もうどうしようもなくなっちゃって、ひどく恋人を困らせてしまった。しまいには泣いちゃって、超面倒くさい女になってしまった。それでも恋人は優しくて、こんなことで嫌いになったりしないし、いつまでも一緒にいるからねって言ってくれた。本当にわたしにはもったいないくらいの恋人だなって思った。

次の日の朝は出発が早かったから、モーニングに行ってお土産を買って、バスでまた関西に帰った。

旅行から帰って恋人はそのままライブがあって、その後家に遊びに行く予定だったけどしんどいからごめんって言われて、じゃあ次の日行くねって言ったら、また当日に今日もしんどいからごめんってきた。じゃあいつ会えるの?ってイラついたけど、その日学校で授業を受けてたら急に今日会えない?大事な話あってって連絡がきて、一気に血の気がひいた。瞬時に「あ、これ別れ話だ。」って思った。だって、わたしの意地っ張りは相当酷かったから、旅行行ってやっぱ違うわってなったって言われちゃってもしょうがないなって思った。今月末で3ヶ月、ちょうど別れるかこのまま付き合うかの分かれ道だし。恋人の家に向かって、バイトが終わるまで待ってる時間は地獄だった。店の前まで出てきてって連絡がきて、この後別れ話されるんだって思ったら足が重たくなった。合流しても手を繋いでくれなくて、やっぱそういうことなんだって思った。居酒屋に入って、お酒が届いて恋人が話し始めて、話終わるまで息ができなかった。結局別れ話じゃなくて、わたしがわかままがひどいのと、小言が多いのを直してほしいって話だった。もうすぐ3ヶ月だから、言っとかないとなと思ったらしい。とにかく、別れ話じゃなくてよかったって思った。もう終わりだと思ってたからお酒の味もしなくて、生きた心地がしなかったからほんとによかったって思った。これからもお互い思うことがあったらこうやって話し合おうねって言ってくれたけど、恋人は人間ができてるからこれからも叱られるのはわたしのほうだろうな。帰り道はちゃんと手を繋いでくれて、「ゆうちゃん、行きは別れ話されるって思ってそうな顔してたから手繋がんといた。」って笑いながら言うから、なんだか可笑しくなった。コンビニでアイスとプリンを買って、久しぶりにお湯をためて2人でお風呂に入って、恋人は「もう明日はバイト休んじゃお!」って言って寝た。朝いちばんに欠勤の連絡を入れて、「俺、主演男優賞取れるかも。」とか言って笑って、家帰らなきゃいけない時間までまだあるからモーニングでも行こうって喫茶店に向かった。行きたかったお店は休業中で、代わりに行ったお店も食べたかったモーニングが終わってたからコーヒーだけ飲んで、道中で見た朝うどんを食べに行った。朝うどんを食べることってなかったから新鮮だった。家に帰って洗濯物を干して、ちょうどいい時間になったから一服して駅に向かった。今週はもう会えないからちょっと寂しくて、そのぶん恋人のことをたくさん目に焼き付けておいた。
駅に向かう途中、せみが鳴いていてもうすっかり夏だねって話になった。そんなこと言ってたらもうすぐ秋になって冬になっちゃうよって言ったら、じゃあ半年記念、9ヶ月って過ぎて、あっという間に1年だねって言われた。先の話をするのをいつもは嫌がるのに、珍しく恋人のほうから先の話をしてくれてすごく嬉しかった。こうやって、いろんな季節を一緒に過ごして、一緒に歳をとっていきたい。そのためにはわがままと小言を直さなきゃいけない。時間はかかるかもしれないけど、恋人とずっと一緒にいたいから頑張らないとな。

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