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涙に濡れてまた沈んでく

昨日は待ちに待ったPK shampooのワンマンライブだった。
本当は、元恋人と2人で行く予定だった。やっと一緒に行けるんだって、すごく楽しみだった。
だけど、お別れすることになってしまったから、一緒には行けなかった。別々でもいいからライブだけでも行けばいいのにって言ったら、ライブも行かないからチケット自由にしていいよって言われてしまった。恋人同士じゃなくても、隣同士じゃなくても、おんなじライブに入って感想言い合うとか、したかったな。

そんなことがあったから、ライブ行くのちょっと億劫だなって思ってしまっていたら、優しいフォロワーさんたちがライブ前に一緒に飲みに行ってくれることになって、ライブ前にお酒飲むのってちょっとやってみたかったから、ライブ行くのすごくすごく楽しみになった。(単純ね)

ライブ前だろうがなんだろうがPK shampooばっかり聴いていたのに、最近はずっと、お別れを言われたあの日からずっと、聴かずにいた。泣いてしまうとか、思い出してしまうとか、そういうんじゃなくて本当に気分が乗らなくて聴けていなかった。でも今思うと、聴いたらどうなってしまうんだろうって思う気持ちも、ほんのちょっとだけあったんだろうな。


フォロワーさんたちと、やっていき❣️

楽しく飲んだ。ぜんぜん酔わなくて、いつもは3、4杯しか飲まないのに5杯くらい飲んでしまった。楽しい時間はあっという間にすぎて、店を出たらもう開場10分前くらいだったから急いでライブハウスに向かった。

始まるまでの時間、フォロワーさんたちとお喋りして過ごした。一人だといろいろ考えてしまうからありがたかった。前にカップルがいて、ちょっとキツイなって思った。わたしも、こうなる予定だったのにって。フォロワーさんが、どうせあのカップルも別れるよって話してきて、ちょっと笑ってしまった。でもわたしは、みんなずっと続いてほしいなって思ってるよ、本当に。
どの曲から始まるかを予想して、まぁ新譜のツアーだし「天使になるかもしれない」から始まるんじゃないの?って話でまとまった。
場内BGMで懐かしい曲ばかりかかって、誰の選曲?って笑った。aikoのKiss Hugが流れて、泣いてしまいそうになった。友だちだなんて一度も思ったこと、ない。恋人から友だちに肩書きが変わってしまったって、わたしの気持ちはちっとも変わらない。

ボレロが流れるのを待っていたのに、中島美嘉の雪の華を最後に暗転して、毎度お馴染みのポケモンのSEが鳴り響いてズッコケそうになってしまった。おい!!ボレロ流して!!あれがないとPK shampooのライブに来た感じがしない!!!

予想は大きく外れ、ひとつの曲ができるまでからスタート。フロアのボルテージも一気に上がった感じがした。ヤマトさん、今回は歌詞飛ばさずに歌っていた。この曲は今までにない感じですごく好き。ガソリン色に西東京市が〜のところで照明がオレンジになってテンションが上がった。

2曲目、奇跡。確か、ヤマトさん間奏で小躍りしていたような気がする。ヤマトさんの小躍り大好きだからずっとやってほしい。君よ統計学上の人にならないでって歌詞で、元恋人のことを考えてしまってちょっと嫌だった。やっぱり、こうやって思い出してしまうんだって悲しくなった。

3曲目、3D/Biela。超〜〜〜良いイントロが付いていて、最初、何この曲?!?知らない知らない!!ってなった。いきなり始まるのも好きだけど、今回のアレンジ大好きだから今後もやってほしい。「みんなもっと歌って!」ってヤマトさんが煽るから大合唱になって、わたしも気分良く大声で歌っていたのに、気づいたら涙でぐしゃぐしゃになって泣きじゃくって歌えなくなってしまっていた。飛ぶコツは振り向かないことって、知っている。でも、やっぱり振り向いてしまう。
まだ、前を向いて、振り切って飛ぶ勇気がない。何があったって構わない 君と生きていくよって、本気で思っていたんだ、わたし。
そういえば、この曲は別れの歌だった。

最初のMC。何を話していたっけ。もう本当に記憶が曖昧だ。確か、オレスパのヴォーカルの人の話とか、カワノさんだけが年確された話とかをしていた。

MC明けは、新世界望遠圧縮。この曲はツアーをしていて出来た曲だから、ツアーでは必ずやるのかな?いつかお金に余裕ができたら遠征して、遠征先で聴きたいなって思った。だから、毎回ツアーでやってね。

5曲目、SSME。この曲をライブで聴くの、大好き!「SSME!」ってみんなが叫ぶとき、すごく一体感を感じる。曲が始まったときは楽しくてぴょんぴょん跳ねていたはずなのに、気がついたらまた涙でぐしょぐしょになってしまっていて、まさかSSMEで泣いちゃうなんて思っていなくて自分でもびっくりしてしまった。
SSMEは七夕の前日のことを歌っていて、七夕の日はだいたい雨で織姫と彦星も会えたのかわからない、でも、ダメでもいいやん、という曲らしい。
「何かに向かって走っていくことの素晴らしさというか、飛んでみようとすることの尊さですかね、言いたかったのは、たぶん」と、ヤマトさんはインタビューで話している。


わたしは今、恋を終わらせようとがむしゃらに走っている。たとえ嘘でも君とならもう明け方に愛だったんだと笑えたら、そんな日がいつか来るんだろうか。

6曲目、翼もください。

言葉じゃ何も言えないよ
君に何か伝えたいことなんてないのに
もどかしそうな顔だけが癖になってる
朝日が空を飛ぶように
どこかまぶしい色で生きていけたら
言葉じゃ何も言えないよ
僕も同じ 僕も同じだよ

翼もください

ここの歌詞が好きすぎる。「PK shampooが歌えることのひとつに祈りとか願いとか、そういうものがあるのかな?って。」とヤマトさんはインタビューで話していたけど、翼もくださいはまさにそうだと思う。これからもずっと、祈りや願いを歌っていてほしい。それで救われるわたしがいるから。

2回目のMCは、いつものごとくハルヒの話で大盛り上がりだった。ハルヒ、通ってないからわかんないんだよな。でも、PKのみんな(ケン様抜き)が楽しそうに話してるからまぁいっか!となる時間。でも今回はどんどん盛り上がっていって、ついにハルヒの曲を演奏し始めた。サビに入ったころからステージの裾にチャパさんが現れて、無言の圧力をかけ始めたことによって1番のみの演奏で終了。PK shampooの演奏にのせて手拍子を聞くことがないので、新鮮で楽しかった。カイくんも「フロアの盛り上がり方なんとか祭(たぶんアニメの中の文化祭?)のそれやったな!!」と大興奮していて、ヤマトさんもニコニコで楽しそうで、おいてけぼりにされたけどまぁいっか!とまたなった。

次の曲行きにくいな〜とか言いながら始まった、夏に思い出すことのすべて。この曲はやっぱり何回聴いてもはじめて聴いたときのことを思い出してしまう。元恋人と、換気扇の下で並んでタバコを吸いながら聴いた。歌詞を初めて見たときからこの曲はマズいって思っていたけど、メロディにのるともっと心に刺さってしまって、泣いてしまいそうだった。ライブ中、やっぱりそのことを思い出してしまって泣いてしまった。ふたりで決めた夏のゆくえ。これから夏が来るたび、わたしは元恋人のすべてがまぶしかったことを思い出しながらこの曲を聴いて、泣いてしまうんだと思う。

8曲目、神崎川。イントロのギターリフのきらきら星が、初めて聴いたときから大好きだ。きったないらしい神崎川という川の名前を曲名につけておいて、きらきら星だなんてなんてチャーミングなんだと思ったし、その対比が美しいと思った。「許し合おうよ 僕も許すから 何もかもを許すから」という歌詞を初めて聴いたとき、ヤマトさんの人柄を垣間見ることができた気がした。わたしは、自分も許されたいから人のことを許すという基本スタンスで生きているので、この歌詞はちょっと嬉しかった。許し合って生きていきたいけど、どうやら許すという行為はなかなかに難しいことらしい。わたしは本当に何もかもを許したんだから、君もわたしのことを許してほしい。

9曲目、m7。この曲だけは、どうしてもセトリ入りしてほしくなかった。嫌いだからじゃない。わたしも大好きで、元恋人も好きな曲だったから。同じ曲が好きなの、嬉しかった。いつか絶対ライブで一緒に聴きたいって思っていた。いつか、君の部屋がm7で埋まる頃に、わたしは誰かと夢の中にいるのだろうか。誰かじゃなくて、君とがいいよと思ってしまうわたしは、未練がましい女なんだろうな。もちろんm7も泣いてしまった。これで泣かないなんて、無理でしょう?

次のMCは本当に何を話していたか記憶にない。多分、たいして内容のない話だったんだろうと思う。ヤマトさんがおニューのエフェクターを披露していたのはここだったかな?カイくんに「どこで使うねェん!!」と言われていたけど、今回ずっと使っていたらしい。わたしは音作りとかよく分かっていないので、ほーんという感じだったけど、ケン様はめちゃくちゃ気になってるみたいでかわいかった。

「この曲を作ったとき、自分は天才やと思いました。」みたいなことを言って始まった、君の秘密になりたい。ライブ前に、この曲きたら泣いちゃうわって話してたとおり、この曲でも泣いてしまった。外出するとき、面倒くさがるわたしと反対に、元恋人は日焼け止めクリームをしっかり塗っていた。日焼け止めクリームって、夏の匂いがして好きだった。君の秘密になりたいは、今の季節にぴったりの曲だと思っているから、今回聴けたの嬉しかった。あとやっぱりイントロとアウトロが最高!!アウトロなんて長ければ長いほうがいいですからね。(長いアウトロで未練を表現しているのも、好き。)

11曲目、京都線。イントロのMのフレーズが来た瞬間、涙腺がゆるんだ。この前、エフェクターの違いを京都線のイントロのリフで説明してくれたなって、思い出しながらイントロを聴いた。すべてを忘れて眠る横顔ものところで、いつもわたしより遅く起きていた元恋人の寝顔を思い出してしまってダメだった。電車に乗って遠くへ行くのは、わたしのほうだ。もう1時間半かけて元恋人の家に通う生活も、ない。君がいない夜って、本当に何をしていたんだろう。涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら考えてみたけど、何も思い出せなかった。たったの4ヶ月だけだったけど、たくさんの夜を、一緒に過ごしていたみたいだ。携帯を二度変えても、忘れられないのかな。わたしはだいたい4年周期で携帯を変えるから、次は来年くらいに一度変えて、その次に携帯を変えたら31歳になってしまう。さすがに、忘れてるか。

最後のMCなのに、何もしゃべることないとか言ってたような気がする。武道館目指そうや、とか話していたな。武道館、連れて行ってほしい。LUUPで横並びで行ってさ、みんなに花道つくってもらってさ、とかかなりふざけていたけど、いつか実現する日がくるといいな。これからもずっと、PK shampooについていくからね。

12曲目、天王寺減衰曲線。ライブが始まる前、もう天王寺はいいや〜とか話していたのに、いざくるとテンションがぶち上がってしまう。そういえば、今年の夏は海に行かなかったな。海、行きたかったな。というか、ライブ版のイントロ好きすぎ。あれ毎回聴きたいから、結局、毎回セトリ入りしてほしいって思ってしまった。

13曲目、死がふたりを分かつまで。この曲のはじめにいつもヤマトさんが「病めるときも、健やかなるときも〜」って言うのがめちゃくちゃ好き。毎回なんて言ってるのかちゃんと覚えて帰ろう!って思うのに記憶飛んじゃう。悔しい。

アンコール前ラスト。「天使になっちゃうかもしれない?!?」って言って始まった、天使になるかもしれない。初めて味園で聴いたときは、サビで何回天使になるかもしれないって歌うねん!!と思ったけど、讃美歌とかお経みたいな曲を作りたかったらしいと見て、なるほど…と思った。(歌詞書くの面倒になったんじゃ?!とか思ってしまってごめんなさい…)

アンコール1曲目、夜間通用口。そういえば、今回はニシケンコールなかったな。もうみんな飽きちゃったんかな。あればダルいなと思うけれど、ないとちょっと寂しい。夜間通用口に入る前もなんかだらだら話していたけど忘れてしまった。どうやってはじまったんだっけ…?
夜間通用口はライブの定番曲なのもあってぎゅーぎゅーになって拳あげて大合唱して超楽しかった。君とさよならって歌詞、泣いちゃうかと思ったけどもう涙は出なくて、晴れ晴れとした気持ちで歌えた。僕だけを選ぶ神様がどこかにいるとずっと信じてる。

アンコール2曲目、空のオルゴール。もう今回はこないと思っていたからめちゃくちゃ嬉しかった。結局、この曲がいちばん好き。みんなも好きなのか、夜間よりもさらに圧縮がかかってめちゃくちゃ苦しかった。思い違いかもしれないけれど、一瞬、ヤマトさんと目が合った気がした。歌いおわりに「本当なんですよ」ってまた言っていた。
ヤマトさんが本当だと言うなら、本当なんだ。
もしまだ恋人同士でライブに来ていて、空のオルゴールが来たら「ふたり手を繋げばこわくないよ」のところで手を繋ぐんだって決めていた。あざといけど、くだらないけど、したかった。元恋人はわたしの手を離してしまったけど、ヤマトさんはずっと、わたしの手を離さないでいてね。

ライブ終わり、物販に並んだら担当がチャパさんで、ずっと喋りたかったから「チャパさんですよね?!」って話しかけてしまった。チャパさんは気さくにお話ししてくださって嬉しかった。
知り合いのフォロワーさんが出待ちをしていたので、わたしたちもする?ってなってお酒を飲みながら出てくるのを待った。新商品って書いてあったからチャミスルの炭酸割りと思しきお酒を飲んだけど、失敗だった。あれ、もう二度と飲まない。
ずっと待っていたけどヤマトさんは出てこなくて、しかたがないからコンビニでお酒買って飲もうかってなって、MCででてきたデイリーヤマザキの前のベンチに座ってお喋りしながら飲んだ。そこまでは、まだ記憶がはっきりしてるんだけど、終電近いし帰ろうってなって、歩き始めてからの記憶が曖昧で、気がついたらカラオケにいた。

フォロワーさんたちがベロベロに酔ってしまったわたしに付き合ってくれて、一人は先に帰ってしまったけど、本当にありがたくて感謝の気持ちでいっぱいになった。カラオケに向かう途中で、元恋人に「今日泊まったらおこる?」ってLINEしてしまっていて、わたしが元恋人の家に行っちゃわないように二人が機内モードにしてくれていて、そこからはしばらくLINEの存在を忘れていた。機内モードを外したら、最寄りに着いたら連絡して、と、不在着信が一件入っていた。心配して電話してくれたのかなって、バカみたいだけど嬉しくなってしまった。声、聞きたいなって思ってしまった。

知り合いのフォロワーさんとお友だちが始発を待ってぶらぶらしているって言うから、カラオケを出て合流した。もうわたしは、元恋人に会いたくて仕方がなくなっていた。そういうこと、したくなかったのに。できるだけ未練は見せたくなかったのに。みんな始発が動き始めたから解散して、わたしは自分の家じゃなくて元恋人の家に向かう切符を買ってしまった。ホームに入ってから後悔の波が押し寄せてきて、なんで来ちゃったんだろうって消えたくなった。でももうここまできちゃったし、行けるとこまでいっちゃおうとも思った。わたしは、酔って寂しくなって好きな人の家に押しかけていたハタチの頃から何も成長できていなかった。電車に乗ってすぐ、「始発で実家帰った?」って元恋人から連絡がきた。ごめん、向かってるって返して、なんで来るのとか、引き返して帰りなよって返信くるのを期待した。でも期待とは裏腹に、「ええよー」「着いたら言うてね」って返信がきた。突き放してほしいのに、わたしからは離れられないのに。でも今だけは、ズルいあの人に縋っていたいと思ってしまった。
朝焼けの空が綺麗で、わたしがここにいたことを残していたくて写真を撮った。いつもはストーリーにあげるのに、わたしだけの秘密にしていたくてしまいこんだ。

家に着いたら、元恋人は玄関の外で待っていてくれていた。作曲していたからこの時間まで起きていたらしい。でも何にもできなかったって笑っていた。わたしのせい?って聞きたかったけど、なんだか烏滸がましくてやめた。「とりあえずお風呂入ってきなさい。」って言われて洗面所に向かったら、着替えが用意してあって涙が出そうだった。情けなくて、最悪で、でもまだ酔いが覚めていなくて、ぐちゃぐちゃの気持ちのままお風呂に入った。お風呂から上がったら起きて待っていてくれて、朝の情報番組を寝転んで見ながらお喋りした。寂しくて、まだ酔っていて、ベタベタくっついてしまったのに元恋人は全然怒らなくて、ちゃんとダメって言わなきゃだめだよって言ったら「なんで?」って返された。何を考えているのかさっぱりわからなかった。元恋人の匂いを確かめながら、「人って声から忘れちゃうんだって、でもわたし、匂いから忘れる気がする。」って言ったら、それ前も言ってたねって言われて恥ずかしくなった。だって、逆だと思ってたんだもん。君が「ゆうちゃん」って優しく呼んでくれる声、いつでも頭の中で再現できるよ?でもきっと、いつかできなくなるんだろうな。匂いは忘れないよって言うから、なんで?って聞いたら「地元で好きだった子の匂いが大阪でしてパニックになったことあるもん。」って返されて、胸がきゅっとなった。わたしと同じ匂いが街でしたら、同じようにどきまぎしてくれる?でもわたしは多分、すれ違った人から君と同じ匂いがしたって思い出せないや。香水とかつけない君からは、いつも独特な甘い匂いがした。
だんだんと酔いが覚めてきて、さっきまでの自分がしたことを思い出して憂鬱になって「最悪や!!」って言ったら、なにが最悪なんと笑われた。酔った勢いで家に来て、元恋人にくっついて、最悪に決まってるだろうが。お腹すいたって言ったら、家になんもないよって言われて、でもどうせ食べても戻しちゃうからいいやって言ったら「羨ましい。」って言われて悲しくなった。ご飯食べられないの、嘘でも心配してほしかった。そんなこと、他の女の子に言ったらキレられちゃうよ。わたしだから、許してるんだよ。でもずっと、気づかなくていいよ。
眠たくないけど無理やり寝て、12時くらいに起きた。

いつも向こうが起きるより先に起きてしまうから、向こうより後に起きようと思ったのにやっぱり先に起きてしまって、悔しいから寝たふりをした。スマホをいじる音がしたから、わざとらしく起きてみたけど向こうはこっちを見向きもしなくて勝手に悲しくなった。
コーヒーをいれてくれて、いつもみたいに換気扇の下でタバコを吸った。
何も言わずにギターを弾き始めたからすることなくて、仕方なく布団を片付けた。顔洗ったり髪をといたりしてからリビングに戻ったらギター弾くのやめていて、「布団片付けてくれたん?ありがとうね。」って言われて、こうやって些細なことでもちゃんとありがとうを言ってくれるところがやっぱり好きだなって思ってしまった。

着替えも済ませて、もう本格的にすることがなくなってしまって、長居しても迷惑だしなって思って「タバコ一本吸ったら帰るね。」ってタバコ吸って帰る用意をしていたら、暗くなるまで2時間くらいだしいてもまだいいよって言われたけど、これ以上ここにいたら帰りたくなくなっちゃいそうで「もう帰るよ。」って言ったら「新喜劇見終わってから帰ろ。」って言われたから一緒に最後まで見た。オチまでつまんなかった。わたしを見送ってる間にテレビが見れないのが嫌だったの?それとも、ちょっとでも長く一緒にいたいなって思ってくれたの?なんだか後者は自分に都合がよすぎるなって笑ってしまった。

いつもは駅まで送ってくれるのに、玄関先でバイバイなのが寂しくて、今の関係性ならそりゃそうか、とも思った。すぐにバイバイができなくて、次に会う約束をしていたから、その日のことを打ち合わせて時間稼ぎをした。でも顔は見られなくてずっと胸の辺りを見ていた。顔を見たら、抱きついてしまいそうでこわかった。もう話すこともなくなってしまって、いよいよバイバイしないといけなくなった。ガサツな女の子だと思われたくなくて、ゆっくりゆっくり、丁寧にドアを閉めた。まるでわたしの未練みたいだなって笑えた。もうお別れなのにこんなことを続けているのが本当にバカみたいで、延命治療みたいな毎日だなって思った。エレベーターの扉が開いて、壁紙が変わってるのを見て、これ話そうと思ってたのに忘れてたって思った。こんなくだらないことでも、全部君に話したいって思ってしまうんだよ。

来週会うのが一応最後だけど、わたしはそれを最後にできるんだろうか。そりゃ向こうから連絡が来たら、喜んで行っちゃうんだろうなってもう目に見えている。でもきっと、こうやって酔って連絡してしまうんだ。バカだから。自分が情けなくて嫌になる。ライブ、楽しかったのに、その後の記憶の方が色濃く残ってしまった。はやく次のライブに行きたい。ツーマンもいいけど、やっぱりワンマンがいいな。次こそ、元恋人のことを思い出さずにライブを楽しめますように。

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