Period E: Age of Powder Bomb (1980's)
2013.11.21
Period E: Age of Powder Bomb (1980's)
Ombre Rose L'Original (1981/2001)
日本でも根強いファンの多いパウダリー・フローラルの金字塔、ジャン・シャルル・ブロッソーのオンブルローズ・オリジナルです。粉物といえばオンブルローズ、という方も多いのではないでしょうか。次々にクラシック香水の取扱がなくなる中、日本でもEDTとパルファムまで販売があるのは嬉しい限りです。
1981年にフランソワーズ・キャロン調香で発売後アメリカに渡ると「タルカムパウダー系フローラル=アメリカ人が想像するフランスのベル・エポック」というイメージが良かったのかアメリカで瞬く間に大ヒット、続き世界中で大流行しましたが、その後一旦権利が他社に流れ廃盤、改めて権利をブロッソー自身が買い直し、再処方して2001年「オンブルローズ・オリジナル」として再発されました。基本的に体感的には殆ど変わりないのですが、リニューアル版ではアルデヒドが抜かれ、ベースに何処となく漂っていた脂性のくせが収まり、透明感が増しました。その分若干軽めに感じますので、今までEDTをご愛用の方は日本未発売のEDPをお奨めします。
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Lutece (1984)
ウビガン社より1984年に発売、その後ダナ社がライセンスを継承したルーテスです。現在ダナから発売されているものはオーデトワレですが、香りだちはウビガン時代のEDPの方が若干まろやかで、トップの甘酸っぱい芍薬とアルデヒドが際立ち、ミドルにはパウダリックで少し重めのローズに変ります。
先行すること3年、 1981年に発売されアメリカで大ヒットしたオンブルローズ(リニューアル前)にかなり雰囲気が似ています。実際アメリカの香水サイトでは「カジュアル価格のオンブルローズ」と評されていることも
多く、リニューアル前のオンブルローズの力強いパウダリックなアルデヒドがお好きな方には大変お勧めの香りですが、ダナ版も廃番になったのか、オンブルローズは順当に値崩れしてどこのディスカウンターでも値頃に買えますが、逆に廉価版と言われていたルーテスのほうを見かけなくなりました。
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追記 2025.1.11
この当時、ウビガンはぺリスグループに買収されたものの、相当処方が劣化したドラッグストアコスメに零落していたライセンス品(やデッドストック)も相変わらず市場に流れていて、この10年で随分ブランドイメージが上がりました。今やぺリスグループはアリサアシュレイからサンタマリアノヴェッラまで掌握して、懐具合全方位対応企業として君臨していますが、SMNを見ていると、いきなり創業年を1621年から1221年と400年も繰り上げたり、ウビガンの時もそうでしたが、とにかく歴史の最適化が凄いので、こうやって昔の投稿を残しておくことは、史実改竄開示の一助となるからためにある、と思っているのは私だけなんですけどね。