Montaigne (1986/2007)
2013.12.25
Montaigne (1986/2007)
フランスのグラン・パルファム、キャロンより、1986年にメゾン限定品として発売され、その後2007年秋リニューアルされフランス・セフォラ他限定店舗にて発売となったモンテーニュです。現在はパルファムとEDPの2展開です。国内での販売はありません。
キャロンは、クラシック香水ばかりが評価されがちですが、このモンテーニュは、現行のキャロンの中でもベスト5に入る程付け心地のよい香りです。キャロントーンもしっかり顔を出します。路線としては大柄系の辺境にいますが、キャロントーンがきっちりと肩パッドを薄めにいなめてくれています。さしずめ、派手でお喋りなお姉さんが案外よく話を聞いてくれて、優しい事を言ってくれたり傍にいてくれたりするような、不思議な心地よさがモンテーニュにはあります。フレッシュなミモザや黄水仙、マンダリンから程なくサンダルウッド、ベンゾイン、バニラの優しいハーモニーが顔を出し心地よく長続きします。寒い季節にぴったりの、暖かく包容力のあるフロリエンタルです。
パルファムもEDPも、ヴィンテージのEDTもあまり印象は変わりませんが、しいて言えばパルファムにはEDPよりも半歩引いた奥深さがあり、ヴィンテージは入り口が違うけれど途中で同じ道を歩いている、その程度の違いです。キャロンの中ではどの濃度もかなり香り立ちが強く、衣服にも香りが残りやすいので膝の裏、内腿など、下半身だけに少量つけて立ち上る香気を呼吸するのがちょうど良いと思います。
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追記 2013.2.14
当時としても一番時代を感じる香調だったけれど、ロスチャイルド家に買収された後もちゃんと残っているモンテーニュ。ていうか、日本には肝心なものが入ってこないだけで、フランスの公式サイトを見ると、キャロンはかなり過去作へのリスペクトが他の老舗ブランドより強いのでは。処方変更は当然あるにしても、カタログとしてクラシックをパルファムで相当戻したのは、キャロンのファンだったから買収したという現オーナーの言葉はあながち嘘でもない気がします。頑張ってほしい!