社会人が2ヶ月で全国通訳案内士の1次試験(英語以外)を突破する勉強法
僕は平日は全国通訳案内士とはまったく関係の無い会社で働いています。仕事で英語を使う機会はありません。日本の地理や歴史にも疎いです。
ただ、英語は2023年にTOEIC L&Rで885点取ったので、一般的には英語が得意な人(全国通訳案内士を目指す人の中では普通?)だと思います。
そんな僕が、全国通訳案内士という資格に興味が湧き勉強を始めたのが2024年6月6日。1次試験が8月13日で勉強期間は66日しかありませんでした。
作戦と結果
最初にやったことは、合格体験記や勉強法などのブログを読むことでした。
ブログのおかげで、勉強の規模感や難易度、必要な参考書などの情報を掴むことができました。
その結果、66日という勉強期間では今年度の合格は難しいと感じたため、来年度に合格する前提で作戦を立てました。
全国通訳案内士の試験は要件を満たしていれば科目免除ができるので、施行要領などで免除できる科目がないか確認しました。
免除できる科目はありませんでしたが、TOEIC L&R 900点であれば、あと15点なので取れそうだと思いました。
また、前年度に合格した科目は翌年度のみ免除となるため、今年度に少しでも合格しておけば来年度が楽になるなと思いました。
ということで、作戦は下記のとおりです。
・英語はTOEIC L&R 900点以上を取って免除
・日本地理と日本歴史は1次試験で合格(来年度免除)
・一般常識と通訳案内の実務は軽く勉強して合格したらラッキー
・来年度は一般常識と通訳案内の実務のうち不合格だった科目と、2次試験の勉強をして合格
そして、2024年9月27日に2024年度の全国通訳案内士の1次試験の結果が出ました。
結果は、英語以外の科目(日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務)が合格でした。
自己採点では英語62点、日本地理76点、日本歴史70点、一般常識97点、通訳案内の実務100点でした。基本的には70点以上で合格です。
英語以外は合格したため当初の想定より良い結果でしたが、やはり不合格になると悲しいです。
来年度に向けて、まずはTOEIC L&R 900点を取るために勉強を続けます。
実際の勉強スケジュールと使った教材
1〜3週目(1〜21日目) 地理を勉強
地理が一番苦手だと思ったので、最初の3週間は地理だけに集中して勉強しました。
まずは過去問を解きます。
JNTOのサイトに5年分の過去問が掲載されているので、全部解いて問題の傾向をつかむようにしました。
この時点では問題が解けないことを気にせず、さくさくと進めていきました。
次に、下記の教材をKindleで購入して、書いてあることを暗記しました。
文字で見ても頭でイメージができないと暗記しにくいため、覚えたい地名をYouTubeで検索して、実際に行ったような気持ちになって覚えるようにしました。
スーツさんのYouTubeは、その土地の地理や歴史を説明しながら観光するような動画が多く、非常に勉強になります。息抜きがてら見ていました。
4〜5週目(22〜35日目)歴史を勉強
歴史の勉強を始めました。
最初は地理と同様に過去問を解いて問題の傾向をつかみました。
分からなかった問題は深追いしすぎずに、あくまで今後の勉強の方針を立てるために過去問を使います。
日本史はざっくりとした流れを頭に入れておいた方がいいと思ったので、中田敦彦のYouTube大学の日本史を通して見ました。
11個の動画でざっと日本史の流れを説明してくれています。この幹に枝や葉を増やしていくイメージで勉強を進めました。
教材は地理と同じ出版社のものを購入して1周読みました。
しかし、テキストを読むよりは問題を解きながら、周辺の歴史を調べたほうが定着すると思うので、このテキストを買わずに後で紹介する一問一答や問題集に進んだ方が効率的だと思います。
また、分かりにくいところを中心にYouTubeで「YouTube高校 / 日本史・世界史」というチャンネルを見ました。
細かい歴史の出来事ごとに10分程度で動画がまとめられていて、実際に地図や写真、肖像画を見ながら勉強できるのでおすすめです。
6週目(36〜42日目)地理と歴史の問題演習
テキストを使って暗記しているものの、問題演習が少ないと感じたので一問一答形式の問題集を購入しました。
知らなかったことはYouTubeなどで調べながら勉強しました。
7週目(43〜49日目)通訳案内士の実務の勉強開始
通訳案内士の実務の勉強を始めました。
地理と歴史の復習は平行して進めます。
地理、日本史と同じように、まずは過去問を解きました。
次に、観光庁で公開している観光庁研修で使用したテキストをひと通り読みました。
なぜなら、全国通訳案内士ガイドラインに「本科目については、原則として、観光庁研修のテキストを試験範囲とする。」と記載されているからです。
試験内容は非常に重要な情報になるので、受験年度のガイドラインや要領などは必ず確認しましょう。
その後、6週目で使った一問一答の「パーフェクト対策」で暗記しました。
8週目(50〜56日目)地理と歴史と通訳案内士の実務の総復習
ここまで勉強した、地理と歴史と通訳案内士の実務の総復習を兼ねて、さらに問題演習をすることにして、追加で教材を買いました。
教材を増やしてしまうことへの葛藤がありましたが、結果的には実践に近い問題演習ができて良かったです。
9週目(57〜63日目)一般常識の勉強開始
一般常識は捨てることも考えていましたが、他の科目の勉強が予定通り進んでいたので、試験日まで詰め込めるだけ詰め込むことにしました。
一般常識は時事問題が出るため、過去問は最新の年度をさらっと見ただけで済ませました。
全国通訳案内士試験ガイドラインによると、「観光白書」と新聞1面の時事問題が出ると記載されていたので、まずは「観光白書」を読みました。
新聞1面の時事問題については、対策がよく分からなかったので、下記の教材の中から出題されそうな部分を読みました。
(同じ教材を買う場合には、最新版を買うようにしてください。下記のリンクは私が受験したときに購入したものです。)
また、YouTubeでハロー通訳アカデミーが一般常識の傾向と対策に関する動画を出していたので見ました。
動画の概要欄からダウンロードできるテキスト「2024年度受験用<一般常識>の傾向と対策」も読みました。
10週目(64〜66日目)過去問の解き直し
地理、歴史の過去問を解き直しました。
今回はしっかりと復習して、過去問に分からないところが無いようにしました。
英語は直前に過去問をさらっと見て、問題の形式だけは理解しました。
結果は、最初に記載したとおり英語以外合格でした。
70点以上で合格のところ、英語62点、日本地理76点、日本歴史70点、一般常識97点、通訳案内の実務100点です。
暗記のコツ
僕がやっていた暗記方法を紹介します。
1. 暗記カード
テキストを読んだだけでは覚えられないようなことは、どんどんスマホで暗記カードを作成しました。
スキマ時間に何度も何度も復習することで暗記できました。
アプリはiPhoneでWordHolicを使いました。高評価だったので使ってみたら使いやすかったです。
忘却曲線に合わせて復習もできるので、効率よく暗記できました。
試験までに1,002枚のカードを作成していました。
2. 覚えたことを思い出す
暗記カードなどで覚えたことを思い出します。
例えば、会社に向かって歩いているときに、朝、暗記カードで間違えたものを思い出します。思い出すことができれば暗記できていることになりますし、思い出せないことは早めに調べて暗記します。
机やテキストが無くてもいつでも勉強できるのが、この暗記方法のメリットです。
3. 自分に説明する
学んだことを自分に向かって説明します。
日本史で乙巳の変が分からないときはYouTubeで解説を見ます。
その動画を見終わったら、動画の中で覚えたことをiPadに書き出します。
そうすると、見たばかりの動画の内容でも、想像以上に頭に入っていなかったりします。
次に、思い出せなかったところを意識しながら、もう一度動画を見ます。
そして、再度、iPadに覚えたことを書き出してみると、かなり書けるようになっているはずです。
4.語呂合わせをイメージと結びつける
なかなか覚えにくいことは、語呂合わせをイメージと結び付けて覚えます。
自分さえ暗記できればいいので、綺麗な語呂合わせでなくても大丈夫です。
それどころか、友達の名前を使ったり、下ネタを使ったりした方が覚えやすいです。
僕は日清戦争の年号を暗記するために、日清戦争中に髪をクシでとかしている場面をイメージで結びつけておいて、1894年の94(クシ)を覚えました。
イメージは、できるだけ鮮明に想像すると、記憶に残りやすいと思います。
5. 知識に色をつける
暗記する内容は無味乾燥に思えることもあります。そんなときは、YouTubeで動画を見ることで実感を伴った知識にします。
地理であれば、その場所を旅行してるVlogなどを見ると、楽しみながら暗記できます。自分も一緒に行っているような気持ちになれると、忘れにくいと思います。
以上が暗記の方法でした。
特に難しいことを聞かれる試験では無いので、覚えるべきことを覚えるだけで、合格点を取ることができます。
時間が無いからこそ、焦らず、着実に暗記していくことをおすすめします。
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