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富士額と前髪が切れない理由

先日、夏目漱石を読んでいて”富士額”という言葉を知りました。
正確には、意味を聞かれたら説明できない言葉の意味を知ったのです。
そして、ひとつの驚きがありました。
「なんだ、私の生え際が富士額なのか」

その昔、当時お付き合いしていた人が、私が前髪をかき上げたところを見て、
「ベジータみたいだね」と言いました。
だから、私にとっての生え際のあの山は、”ベジータ”でした。

ちゃんと言葉を知れて良かったです。

ベジータと思われたくない昔の私は、前髪でそれを隠していました。
髪型に無頓着になったここ2、3年の私は、前髪を伸ばし、前髪のないセミロングにしています。

先日ふとしたときに、額のベジータ(そのときはまだベジータです)が気になりだしました。
中央付近で分け目を付けるので、どうしてもベジータ山が山頂を覗かせることになるのです。
おもいっきて前髪を切りに美容室に出かけました。
私は事前にスマホでヘアカタログをスクショして、3通りのイメージ画像を用意し、カウンセリング冒頭に美容師さんスクロールして見せました。
「これや、これとか、この感じに、前髪を切りたいです(イメージ伝わったかな…)」
美容師さんはしばらく苦慮する表情をして、
「難しいですね、向かって左寄りの生え際が、上向きに生えてるんですよ。だから今は長いから下向きに沈んでますけど、切ったらほぼ確実に割れますね」
大丈夫。こう言われることは、想定外ではない。
前髪があった頃は、はねてしまう部分の一掴みだけを縮毛矯正してもらったこともあった。
ややこしい生え方していることは知っている。
粘りたい、なんとか良い打開策はないのか、美容師さんから引き出そうと試みました。
「前髪にパーマ掛けたりして、流れを変えたらどうですかね、あと毎朝ブローとか、しっかりスタイリング剤付けたりとかして…」
「まあ、効果はなくはないですけど、時間が経ったらどうでしょうかね、そもそも、くせ毛ではなく、生え向きの問題なので、矯正できなんですよ」

完敗。

結局、何もせずに帰りました。
美容室って、何もせずに帰れるんだね。

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まゆ
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