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派遣社員 (女)初めて心療内科に行く
金曜日、私はずる早退して13時半の東横線に乗っていた。
この時間の東横線は座れる。
昨日から続く胸の不安感がなくならないでいた。
「どうも、毎度お馴染み、不安感です。」
そう自己紹介してくる勢いだ。
私は人生で何回目かの、「Google検索で”心療内科”と検索する」をした。
検索結果の上から順にページを開く。
GPSが仕事してない。
もう一度、これも人生で何度目かの、「Google検索で”心療内科 ○○(地名)”と検索する」をした。
最初の検索結果のページにアクセスする。
今までで、一番手ごたえ感じるページ。場所、診療方針等も良さげ。
私は途中下車して、すぐその医院に電話をした。
電話をかけながら、今日、今すぐかかりたい気持ちが沸き上がった。
だって、不安感は絶賛かまってほしそうに、こっちを見てる。
受付の女性の声が聞こえてきた。
かかりたいのは心療内科で間違いないかと聞かれた。
ほかの科も併設されているからだろう。
今日受診したいことを伝えると、今から来れるかと、時間の制限がないかを聞かれた。
もちろん、今すぐ行きたいし、このあと何もない(ずる早退してる)
電車に揺られ30分、雨のなか医院まで歩いた。
中に入るとこじんまりとした待合室があり、暖色の照明が冷えたからだを温めてくれる感じがした。
診察室の入り口が見渡せる長椅子に腰を掛けた。
「〇〇 〇〇子さん」
受付から、女性の名前を呼ぶ声がした。
男性と思われる野太い声で返事か返ってきた。
私は思わず目を向けてしまったけど、そのひとの性のことをよくわからなかった。
待合室には、赤子を連れの夫婦がいたり、マスク姿の女性がいたり、途中スーツ姿の男性2人が健康診断なのか、書類をもって受付を済まていたりした。
そして、診察室からは時折女性のすすり泣くような声が聞こえてきていた。
私はこの人のあとに診察されるのだろう。
何を喋ろう。
考え始めると泣きそうになった。
でも、ここで泣いたら病んでるってばれる、と思って耐えた。
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