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りんごが今年の寂しい思い出に変換されて、来年はきっといい事があると信じられるようになった今宵
風邪をひいて、ほぼ一ヶ月
咳がなかなか治りきらないまま過ごしています
今年の風邪は咳が残っている人が多いようです
この2日位でようやく少し落ち着いてきたような気がします
最近は仕事も順調に進み
定時に帰る日々です
きょうも時間になると片付けをして
車に乗り込みました
ラジオで相撲中継を聞きながら帰路につきました
(あ、、、ドラッグストアとスーパーでの買い物頼まれてた。。。
何買うんだっけ?)
そんなことを考えながら運転して帰りました
家に帰ると玄関には喪中はがき
ああ、、そっか、もうそんな季節になったんだなと感じました
そろそろ年賀状も用意しなきゃ
そして、通販の袋、、新居のために買ったものです
そのそばに大きなしっかりとした段ボール箱・・・・
何か買ったっけ??
と思い宛先を見てみると
元彼に届いた荷物が不在でこちらに転送されていました
ああ。。。。そっか
最近はラインもなく、近所にいても顔を見ることもなく
このまま引っ越してくれて・・・・
と考えていたのですが
元彼は、立派な立派な流派のお花の先生です
日本中からお歳暮が届くのです
これもシーズンでした
さて、、、これをどうやって渡すべきか?
ラインもメールもしたくない
顔も合わせたくない・・・
となると、玄関の前に黙って置き配しておくのが一番です
よし!そうしよう!
と決めて持っていこうとしたのですが
ふと見ると、、、
「ナマモノ」
としっかり貼られていました
中身は
「りんご」
と書かれていました
さすがにそのまま置きっぱなしは良くないな・・・
と思い考えて考えて・・・・
その結果
玄関にリンゴを置く
インターフォンを鳴らす
出てきそうになったところで素早く階段を降りて帰る
元彼も荷物を見れば
ぼくが持ってきただけで
そのまますぐに帰ったとわかるはず・・・
この案でいくことになりましたGO!
いつもは元カレが居ようが居まいが
そのマンションのまえを通ることすらキツかったのですが
とりあえず帰宅しているか
マンションの下まで行って4階の部屋を見上げましたが
明かりがついておらず
まだ帰っていないようでした
そこで8時半くらいまで待ち
再度行ってみると、ようやく明かりがついていました
さっさと終わらせてお風呂に入ろう
と、お風呂を沸かしリンゴの箱を抱えてマンションへ向かいました・・・・
が・・・・
これが、リンゴの箱は思ったよりも重たく
このリンゴを持って
4階まで階段で上がらなければなりませんでした
何で、、こんな目に・・・と思いましたが
仕方ありません
エレベーターがなく昭和の団地そのもののマンションです
毎日毎日上がり降りしていた
自分が住んでいたマンション
階段がこんなにきついと思ったことはありませんでした
なんとか4階まで上がり
当初の予定通り玄関の前にリンゴの箱を置き
何の躊躇もなくインターフォンを押しました
しばらくして・・・・
「・・・はーい・・・・」と不安そうな声がしました
でも、これで出て箱を見つけて分かるだろうと
階段を降りて下の躍場で待ちました
が・・・・出てきません
のぞき窓から見て誰もいないからか・・・・
仕方なくもう一度インターフォンを鳴らし
のぞき窓から見える位置まで下がって待ちました
中から「○○くん?」と声がしたので
これで大丈夫と思い、階段を降りました
3階まで降りたところで、再度「○○くん」
とぼくの名前を呼ぶ声がしたので
「おやすみ」とだけ言って下まで降りました
任務完了!!と思って家に帰ろうとしたところ
「○○くん」とまた呼ぶ声がするので振り返ると
元カレも降りてきていて
「これ多いから半分持って帰って」というので
ああ、そんなことか・・・
会うと思ってなかったので
ジャージの上下にサンダルに
頭ボサボサのメガネ姿のぼくです
まあ、そんなこともたいして気になりませんでしたが
「うちはいいよ、お姉さん家族に持っていってあげて」とぼくが言うと
「いや○○くん、半分持って帰って」というので
このやり取りを2,3度繰り返して
あ、、そういえば京都で花展があったはず、と思い出し
「花展、お疲れさまでした」とぼくが言うと
「りんご持って帰って・・・」とまだいうので
「ほんとにうちは必要ないから、お姉さんのところへ持っていってあげてね、おやすみ」というと
「わかった・・・」と元カレが答えたので
「おやすみ」と言って振り返ることもなく家にかえりました
なんてことはない
わずか数分の出来事です
何かが起こり、何かが変わったわけでもありません
おそらく元カレも、なにも感じず思うこともないでしょう
ただりんごが運ばれてきた
それだけの出来事です
家に帰って少し肌寒かったので
キッチンでお母さんが入れてくれた温かいコーヒーを飲みました
お母さんは「○○くんは帰ってた?」と聞くので
「うん、帰ってたよ、リンゴも渡したよ」
と、それだけ答えました
お母さんは
「いろんなことがあるものよ、わたしだってね・・・・
頑張ったよ
あんたも、頑張ってるよ
来年はいい年になるはずだからね」
と、それだけ
そう、来年はきっといい年になるだろう
そうじゃないと、、、、
夏からの4カ月・・・・・
お母さんは、なにも話さないぼくのこと
それでも、理解をしてくれているのでしょう
少し胸が苦しくなりました
何も起こらなかった
何の変化もなかった
ただ普通の一日でした
この一日の終わりに
リンゴが少しだけ悲しい思い出になりました