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今日もひとつ~星野富弘さんの詩、なかにしあかねさんの曲

今日も一つ

悲しいことがあった

今日もまた一つ

うれしいことがあった

笑ったり 泣いたり

望んだり あきらめたり

にくんだり 愛したり


そしてこれらの一つ一つを

柔らかく包んでくれた

数え切れないほど沢山の

平凡なことがあった


星野富弘さんの『今日もひとつ』の詩につけられた
なかにしあかねさんの曲

自分で歌うのではなく
ぼくがレッスンしている方が
夏前のレッスンで歌われ
久しぶりにこの曲を歌いに来られました

以前のレッスンでは
日本語の発音
声のテクニック
フレーズの持って行きかた

そんなことをレッスンでお話していました

1カ月以上空けて
久しぶりのレッスンでこの歌を
改めて聞きました

星野さんの詩
なかにしさんの曲

自分でも思わないほどの力で
この詩と曲が
胸に刺さってきました

この詩が
こんなに迫ってくるとは考えてもいませんでした

彼女にこの曲を選んだのは
ぼくでした

でも、この詩について
ぼくは本当に深く読みもせず
レッスンをしていたことが
恥ずかしく、そして
レッスンしながら
ぼくは言葉に詰まってしまいました

この歌をうたうのに
本当に大切なことはなんだろう?

声の響き
日本語の子音の処理
美しい母音の響き・・・・
確かにレッスンだから
言わなければならないことです

でも、ぼくは声を出すことができませんでした
なにか話すと
涙と一緒にすべてがあふれ出そうでした

それでも、ぼくは一語一語
涙を落とさないように
話をしました

にくんだり、愛したり・・・
別の事だと思うでしょう
でも、この感情は表裏一体です
他でも、全て相対する言葉に思うかもしれませんが
星野さんの中では
この感情が同時に沸き起こっているかもしれないです
別日の別の感情ではないです

にくんだ後は
やっぱり愛おしい・・・・

言葉の並列でなく
違う言葉が実は
同じ気持ちの裏返しを歌っていると思って
演奏してくださいね

これだけ言うのが精いっぱいでした
きっと、ぼくの態度も声も
変だ!と思ったでしょうね

この一ヶ月で
ぼくはすっかり変わってしまったのですね

「数えきれないほど、たくさんの
平凡なことがあった・・・・」

なんて、この平凡な一日が
愛おしいことか!!!!

でも、それもぼくはすべて失ったのだな・・・・

彼女は丁寧に歌ってくれました

今日もひとつ
またひとつ
ひとつ

明日からも積み重ねていきます


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