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人物の背後に会社名がある理由

最近のドラマでよく見る手法があります。
それは、登場人物の背後に
会社名や学校の名前があること。


記憶に新しいものでは、
2024年4月期に放送された。
今田美桜主演の「花咲舞が黙ってない」です。


問題を起こした支店へ直接出向き、業務改善できるように指導・支援し、解決を図る部署、臨店班。そこに配属された花咲舞と相馬健のコンビが銀行内の様々なトラブルを解決していくドラマです


支店の問題点を洗い出すという仕事の性質上、臨店先ではあまり歓迎されず、行員の協力もなかなか得られない中で、花咲と相馬が奮闘します。


その中で不都合な情報を隠蔽しようとする、銀行の実質的権力者、経営企画部長の紀本平八の座席の後ろにはいつも東京第一銀行の文字があります。

東京第一銀行の文字入りの壁を背負う経営企画部長・紀本平八(右)

「当たり前じゃない。何がおかしいの」
という声が聞こえてきそうですが。


これ、最近のドラマで目立ってきた手法です。


普通、企業はお客様から見えるところ以外に
会社名を掲げたりしません。


銀行の窓口の壁にはあっても
おかしくありません。


でも、役員室に銀行名を掲げたりするでしょうか?


リアルに考えると
役員室は落ちついた雰囲気の作りと
ゆったりしたソファや
高級な机など
高級感が漂っているものです。


そこに会社名などはないでしょう。
役員室に入る、社外の客は
会社名を背負った役員を見ると
威圧感さえ感じるのではないでしょうか?


現実はさておき、
これが視聴者から見ると
会社名を背負った人物は
その企業の有力な人物であることを
一目で理解するのではないでしょうか?


かつては、”登場人物が会社名を背負う”
ということはありませんでした。


ドラマのパターンとして
登場人物がどんな会社で働いていて
どんな立場なのかを
いわゆる引きショットから
カットを重ね説明していきます。


①会社の建物全景
②会社の看板
③職場の雰囲気・業種の説明
④登場人物の紹介
という具合にです。


主役は上記のように
ていねいに説明します。


かつては、というより
今も使われる手法ですが
主役に絡む重要人物
以下のように説明していました。


①会社の建物全景
②会社看板
③役員室の文字
④役員室の雰囲気
⑤主役に絡む重要な人物の紹介


それが、会社名を背負うことで
どこの会社の人で、どういう立場なのかを
一気に視聴者に理解できてしまうのです。


私がこのことに初めて気がついたのは
TBS日曜劇場「下町ロケット」でした。


主役が社長を務める佃製作所に
仕事を発注する”帝国重工”の役職クラスの
登場人物の背後には
会社名がいつもありました。

TBS「下町ロケット」 帝国重工社長 藤間秀樹

いかがでしょう?
イラストをご覧になって
どんな人物かすぐにわかるのではないでしょうか?


同じTBS日曜劇場の
「ドラゴン桜(2021)では
理事長室や会議室の壁には
舞台となる”龍海学園高等学校”の名前や
紋章がありました。


下のイラストは
主役桜木弁護士と水野弁護士と
東大専科開設に反対する
理事長の龍野久美子の理事長室の様子です


龍海学園高等学校 龍野久美子


イラスト1枚見ただけで、学校の偉い人ということが
一目瞭然ではないでしょうか?


このようにドラマの演出では
登場人物の立場や状況を
視聴者にストレスなく見てもらえるか
工夫しています。


今後もドラマの感想なども含めて
お知らせします。
ご期待ください。


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