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アコラバの不思議 ~船長の一声でなぜ釣れる?~

 2024年シーズンは、場所・時期などいろいろなシチュエーションの変化を楽しみつつ、アコラバを満喫しました。その中で印象に残った釣行をご紹介します。
 季節は初秋、その日は船中6人でチャレンジしましたが、なかなかアコウが口を使わず、沈黙が続く状況でした。狙ったポイントでうまく魚が出ないことで船長も悩んでいたところでした。場所移動をしようと船長が「(仕掛けを)あげてください」とアナウンスをすると、船中から「食ったよー」という声が聞こえました。ラストチャンスをモノにする幸運。ときどきこういうことがあるのです。
 相変わらず状況は好転せず渋い渋い中で、また同じことが起こります。船長が「あげてください」と言ったそばから「きたきたー」という声。船上に揚げられたアコウがバタバタと暴れます。そんな釣れ方が二度も続くなんてなあと思っていると、まさかの三度目。船長の「あげてください」の声は魔法の言葉かと船中全員が笑っていました。なんなら、「(仕掛けを海中に)どうぞー」という言葉と同時に「あげてください」と言ってほしいと冗談を言った私。
 こんな状況の中で、おもしろいこともあるもんだねーと和やかな雰囲気の船内でしたが、これって本当に「偶然だろうか」と考える私。船長が「あげてください」と一言発したときに、私たち釣り人はどんな行動を取っているだろうか。今日のアコウは、その「変化に反応」したんではなかろうかと。そこでピンと来るわけですよね、「あ、これはリアクションバイトだな」と。ただ巻きではどうしても釣果が伸びない日でしたが、リアクションバイトのパターンを探していくなかでこの日にハマるアクションへとたどり着けました。後は仲間とその情報を共有して、激渋脱却を果たすことができました。なんならば、しっかりと数も型も出て、悪くない成果となっていました。
 船長の一声で釣れた!という笑い話から、その日のパターンへと落とし込めたことはとてもやりがいがありまして印象的な釣行となりました。アコラバは釣り人の技術介入の余地があり、新しい領域を発見したり追及したりできるのも楽しさの一つですね。

※釣ったアコウをビーチで塩焼きに。

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