モノクロームと伊達眼鏡
伊達眼鏡をかけて、外に出る
カラーコピーをするためコンビニに向かう
慌ててコンビニに向かう
信号の色がわからなくて車に轢かれそうになる
でも足は止めない
止めたら黒に追いつかれてしまう
震えた手で100円玉を入れてカラーコピーを選択する
だけど出てきたのはモノクロだ
冷や汗
一体色はどこにいったのだろうか
僕はモノクロの世界を生きてゆくしかないのだろうか
その世界には橙色の温もりや、赤色の思いやりはあるのだろうか
青色の偏見や、紫色の理不尽は存在するのだろうか
その世界は白の白さにただ立ち尽くし、黒から逃げるだけの世界なのだろうか
もう僕にはどうしたらいいのかわからない
涙が溢れる
この感情が何色なのか知りたくて涙を拭う
すると自分が眼鏡をかけていたことを思い出す
そして伊達眼鏡を外す
色をみつける
世界は色鮮やかだった
だけど涙は透明だった
さらに涙が溢れる
透明な感情で前が見えなくなる
何も見えなくなる
色も黒も何もかも
伊達眼鏡をかけて、外に出る
透明な気持ちが怖くて外に出る