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ノンケに恋をする

はじめまして。
僕はゲイです。「ノンケに恋をする」ゲイの皆さんなら一度は経験したことあると思います。
僕も過去に何人かノンケを好きになったことがあります。
結論をいうとノンケと付き合えることはありません。
ですが、ふと思い返すと辛い思い出がほとんどですが楽しい思い出もありました。
僕が初めてノンケに恋したのが高校1年生の時でした。
親の転勤で関西から地方へ引越し、学校も転校になりました。
転校初日の学校は、「関西人がきた」と休み時間に他クラスの生徒がひっきりなしに僕のところへおしかけてきました。周りの人たちは「関西弁喋って」と求めてきましたが、僕は人見知りのためうまく返すことができませんでした。「関西人なのにおもしろくない」と次第に寄ってくる人はいなくなりました。
クラスの数人とは話すようになりましたが、時々孤独を感じる時もありました。
ある日、体育の授業があり、体育は2クラス合同でするのですがそこで野球部のYくんと出会いました。
Yくんはお世辞にもかっこいいとは言える顔つきではありませんが、とても優しそうな顔立ちをしており、ペアが作れなかった僕とペアを組んでくれました。
そこでお互いのことを色々話しました。その日のお昼は一緒にお弁当をたべてくれて、その時に連絡先も交換しました。家に着いた僕は、早速YくんにLINEをしました。
次の日からもお昼は一緒に食べることになりました。Yくんと同じクラスの1人も加わり3人で食べることが多くなりました。そしてほぼ毎日のようにLINEをする日常がしばらく続きました。内容はたわいもないことですが、僕にとっては毎日連絡できることが嬉しく、次第にYくんに惹かれていきました。
たまに話の流れで冗談っぽく「つきあおう笑」などを僕が送ると「いいよ笑」と返信がきたりしてその度に喜んでいました。
そんな日が数ヶ月続いたある日、いつも通りLINEを送ると未読が続いたことがありました。僕は心配になり、何通か追いLINEをすると、「毎日LINEしてくるのうざい」と返ってきました。僕は「ごめんね」とだけ返信し、その日の夜ベッドでたくさん泣いたのを覚えています。
次の日からYくんとは気まずくなり、次第に話すことはなくなりました。
そのあとから僕が廊下を歩いていると、Yくんと同じ野球部の仲間から「ゲイだ…」と僕に聞こえるくらいの声で言われ、笑われる日々が続きました。
他クラスの人達からも「あいつはゲイだ。掘られるぞ。」
と噂をされるようになり、友達もあまりできませんでした。仲の良い友達には「〇〇ちゃんが好き」と好きでもない女の子の名前を出して、少しでもこの噂を無くそうと必死になっていました。それと同時に自分がゲイに生まれてきたことに嫌気がさしました。「異性愛者」に生まれてきたらこんな辛い思いはしなかったのにと自分を責めました。
次第に僕の噂はおさまりましたが、僕は人と話すのが怖くなってしまいました。
「ノンケに恋をする」とはこういうことなんだと初めて知りました。
今になって思うことは、仮に自分が異性愛者だったら、同性愛者から好意を寄せられてるのがわかったらYくんと同じことをしていたと思います。
だからYくんのことは恨んでもいません。
Yくんもその後も時々LINEをくれたりしてましたが、それ以上仲良くなることはありませんでした。

僕が疑問に思うことがあります。「普通」とはなんでしょうか。ゲイなのは「普通」ではないのでしょうか。考えれば考えるほど分からなくなります。

初回から長々となってしまいましたが、僕の初めての恋でした。
今では、僕がゲイであることを友達や親にもカミングアウトしています。その話はまたこんど。




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