テングタケ
効果 ★★☆☆☆
危険度 ★★☆☆☆
【形態】
夏〜秋にかけて広葉樹林または針葉樹林の地上に生える。日本全国どこでも生える。意外と人に身近なところ(キャンパス敷地、公園、遊歩道など…)によく生え、山奥ではあまり見ない。
テングタケとよく似たイボテングタケというきのこもある。広葉樹林にテングタケ、針葉樹林にイボテングタケが生えると言われるが、混ざっていることもよくあり、区別は難しい。毒成分はほとんど同じなので、それほど神経質になる必要はない。
なお、ベニテングタケは標高の高いシラカバ林に生えるが、毒性はテングタケの1/10程度とされる。
【有効成分】
テングタケ(イボテングタケ、ベニテングタケ含む)に含まれる毒成分はイボテン酸、ムッシモール、ムスカリン、アマトキシン類。イボテン酸、ムッシモール、ムスカリンは神経毒で、アマトキシン類は肝臓毒。99%以上はイボテン酸・ムッシモール。
イボテン酸は興奮作用・催吐作用を有し、嘔吐、腹痛、興奮、痙攣、せん妄などの不快な症状を呈する。ムッシモールは抑制作用を有し、鎮静、眠気、酩酊、幻覚、せん妄、多幸感などの症状を呈する。イボテン酸が脱炭酸するとムッシモールに変化する。自然状態ではイボテン酸とムッシモールが混合した状態となっており、そのまま食べると興奮、抑制が次々に起こる、複雑な中毒症状を呈する。
ムスカリンは自律神経に作用し、発汗、唾液分泌の増加、めまい、嘔吐、胃痙攣、縮瞳などの不快な症状を呈する。しかし含有割合は0.0003%に過ぎないとされる。アマトキシン類は肝臓に影響を与え、嘔吐、下痢、肝障害を引き起こす。テングタケにはごく微量含まれるとされる。
テングタケもイボテングタケもベニテングタケも毒成分は同じ。毒の強さは一般にテングタケ>イボテングタケ>ベニテングタケとされる。
【摂取方法】
上記のとおり、ムッシモールが好ましい作用を示すのに対し、イボテン酸はどちらかと言うと不快な作用を起こす。よって、できるだけイボテン酸→ムッシモールに脱炭酸して変換する必要がある。
方法はシンプル。乾燥させた後、低温でじっくり加熱すればよい。乾燥させるだけでも半年後にはほぼ100%がムッシモールに変化する。もっと早く変化させるには、乾燥後、50℃〜130℃で30分〜1時間ほど低温加熱する。
摂取はそのまま食べてもよいし、喫煙してもよい。一般に食べると鎮静作用が強く出るが、喫煙すると酩酊作用が強く出やすい。テングタケは燃えにくいので、エキスを抽出して粉末にし、乾燥葉と混ぜるなどの工夫が必要となる。幻覚を見るには相当量を摂取する必要がある。
【効果】
どれくらい純粋なムッシモールを抽出できたかによって効果は変わってくる。イボテン酸やムスカリンが混ざると嘔吐、異常興奮、異常発汗などのバッドに入りやすい。
うまくムッシモールを抽出できれば、鎮静、穏やかな幻覚、視覚の異常、酩酊感、多幸感が味わえるとされる。GABAに作用するため、L◯Dとは全く違う効き方をし、サイケというよりはデリリアントに近いとされる。
抗うつ薬などと併用すると眠気が強く出る可能性がある。
【法的地位】
もちろん合法。ムッシモールを抽出することも合法。ただしイボテン酸、ムッシモールは食品衛生法によって指定されているので、食品として販売すると違法となる。
【収穫・管理】
きのこにはカビが生えやすい。テングタケは特にイボテン酸がペトペトして乾きづらい。
一般に野生のきのこは塩水に浸して虫を取り除く必要があるが、テングタケは虫が少ない上に、乾きづらいことから、無理に塩水処理する必要はない。濡れた布で汚れをふき取る程度で十分。石づきやツバは取り除いておく。
軸を外し、小さい傘は4等分、大きい傘は8等分にする。トースターでじっくり下焼きした後、フライパンに重ならないよう並べて3日以上天日干しする。
しっかり乾燥させた後、ドライヤーなどで30分以上加熱する。
テングタケは地域・時期により成分・毒性が変わるとされる。よって、地域・時期ごとにジップロックにまとめ、ラベリングする。地域・時期の異なるテングタケを混ぜてはいけない。ダメ絶対!
ジップロックに乾燥剤を入れ、冷暗所に保存する。
※違法行為を助長するものではありません。植物を試す際は周りにご注意ください
※テングタケを採取する際は周りの環境への配慮をお願いします