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東京藝大大学院試験即日設計について(計8回)&学科

はじめに

私が東京藝術大学の大学院建築設計研究室に合格した年に、受験の対策として即日設計の練習を行なったのは、計8回でした。それらを時系列に並べながら、そのなかで考えていたことや、また、別で対策した小トレーニングについて記述していこうと思います。(学科対策についても少し触れます)(過去問等データについては学校側の著作なので本記事は全て自らの情報を取り扱います。)

絵のうまさが最重要というわけではない!

大切なことは、
☀︎事前に設計したものを敷地に当てはめようとしないこと
☀︎終わらせること 
です。

事前に考えられた設計かどうかは、すぐにバレます。どのようにしたら課題が渡された瞬間から独自の発想を短時間でアウトプットできるかのコツを記載しようと思います。また、描写力や絵のうまさはおそらく点数に関係ないと思われますが、伝わりやすい構図や意図の表現においてはパースは重要になってくると思われます。私は自分ルールとして、過去問に書かれてている制限時間から2時間引いた時間で絶対終わらせる、また、A1、1枚提出の問題の際も、図面縮尺上げたりパースを増やすなどでA1、2枚にしたりして当日何があっても終わらせられるようにしていました。(ドラゴンボールにでてくる重力トレーニング装置と同じようなことです)

               筆者作成

エスキス中にスケッチしたものの中のことが最終設計物になるので、たくさんゼロイチで案を考えるというよりかは、なんとなく描いたスケッチをこねくり回して、「もうこれで行くしかない」と最初から思いながら、課題文とコンセプトを形に落とし込んでいきます。
そこで特徴的な形が課題文とコンセプトに合っていないと、持ちネタと思われてしまうのではないでしょうか。
「なんとなく描くスケッチ」というのは、全く何も考えずに描くものでも、ただかっこいいからと考える形でもなく、この課題文、敷地だったらなんとなく平家の方がいいなーとかここ、視線が抜けてたほうがいいなーということを考えながら描くスケッチのことです。時間がない中考える建築のコンセプトはそういうシンプルなことが実は最後に実になっていることが多かったです。


1回目(7月29日)

A1サイズ シャーペン、色鉛筆、


A1サイズ、シャーペン、色鉛筆

駅前のボルダリング施設の設計でした。時間内に全然終わらなかった&スカスカ。
今見ると、最後にやった練習(8回目)の1/3くらいのクオリティです。

しかし自分なりのコツとシートの粗密に関してポイントを掴めた気がしました。設計自体に時間を使った上、凝ろうとして表現をゼロイチで考えようとした結果、時間が間に合わなかったことから、課題分読み込みとエスキスは1時間以内に終わらせることが鉄則な気がしました。又、たまたま編み出した断面部分と平面外構のハッチング技はシートのクオリティに貢献することがわかりました。t定規で少し時間を食ってしまうこの表現は緻密さと秩序をシートに与えるため、かえってダイアグラムやパースの手ぶれ感が、味となりやすいです。なんなら図面が少しゆるくても許容できるくらいの頑張りどころとなってくれます。自分は断面部分も線も全てシャーペンで行いました。

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