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鍵盤の拭き方

   昔、大橋巨泉が司会をしていた「こんなものいらない」という番組があった。その中で「洋式トイレ」のことを言っていて、便座ってそんなに気になるものだろうかという内容のことを言っていた。その際、指先には雑菌がたくさんあるという話になり、アシスタントの小倉智昭氏が「指しゃぶるより便器舐めた方がいい」などと言って巨泉氏をあきれさせていた場面があったと記憶している。
   指先というのはよく考えると確かに清潔とは言えない。お札を触った後を気にする人を私は何人も知っているし、コロナ時代に手指消毒が習慣になり、そういう意識が昔よりずっと広まっているようにも思う。
   こんなことがあった。東京の某ホールの楽屋に練習用のピアノがあったのだが、弾いてみると何やらベタベタしている。よく見ると鍵盤が黒ずんでおり、その時にハンカチしかなかったので拭いてみた。するとあっという間に真っ黒になったのだ。ピアノのこういう管理をホールでは行わないのだろうか、と思ったものである。
   複数演奏家が出演するコンサートも結構気になることがある。自分の出番前に誰かがピアノを弾いていた場合、手汗の多い人の場合があるのだ。普通はピアニストが舞台に出て鍵盤を掃除することはないので、弾き始めてからあっと思ったことが何度もある。
   鍵盤を拭く際には、アルコールは厳禁と聞いたことがある。最近は舶来のピアノもアクリル素材を使っているので、これはほとんどのピアノに当てはまるはずだ。ひび割れの原因になるそうである。象牙鍵盤や人工象牙も扱いが難しいらしい。象牙鍵盤はアルコール大丈夫と聞いたこともあるが何だか心配だ。調べてみるとこんなサイトを見つけた。アルカリ電解水がいいという人もいて、こういうサイトも参考になると思う。
   いずれにしても、誰もが言っていることだがこまめに手洗いをすることが大事だということだろう。そしてピアニストは他人の楽器を触ることがほとんどなので、汚れに対して注意することは必要だと思っている。

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