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『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』雑感

今更見終わったので簡単に感想を語ります。
全体を大雑把に俯瞰する感じ。
アマプラはスクショ出来ないので画像はありません。


テーマ

 タイトルの「U149」は身長149cm以下=小学生アイドルであることを示していることは作中でも語られている通りである。このように本作は「幼い子供がアイドル活動をする」という意外性を大きな特色にしている。そしてそこから生まれた「大人と子供の違い」という対比的なテーマを主軸に据えて物語が構成されている。テーマが物語の根幹を為す構成要素と密接に絡んでいるためクライマックスに向けた問題の設置とその解決の納得感が強くなっている。
 「子供」「大人」というのは誰もが経験するため非常に共感性が高い話題である。作品自体も基本的には込み入った展開・描写はなるべく控えてシンプルで分かりやすい構成になっている印象を受けた。そのため小難しい部分で邪魔されるようなことがなく、キャラたちへの感情移入がしやすかった。


 またアイドルという存在が純粋無垢で観客に夢を見させる子供らしさ、人気競争という非常にシビアな世界で生きる大人っぽさの両方が求められる特殊な仕事柄であるため上記のテーマとの親和性が元々高いことも物語がすっきり纏まっている印象を与える要因のひとつだろう。
 さらに創作におけるキャラクターは全ての行動を観客に見せる前提で造形され、(多くの場合)愛着を持ってもらえるような存在として作られるという点でアイドルの究極系ともいえる。いわばスキャンダル等で崩れることのない(とは言い切れない部分もあるものの)完全な偶像であるという意味でもテーマと繋がりがあるともいえる。

対比

 対比構造はどの種類の創作においても映える作品を作る際に有用な手段であることは周知の事実である。本作も大人と子供、プロデュース側と演者側、先輩と後輩、(小学生の)日常と(アイドルとしての)非日常、更には11話とそれ以外など対比構造として見ようとすればそうとれるものが数多く散りばめられている。

全体の構成

1話:導入
2~9話:個別シナリオ(6話:先輩のライブシーンあり)
10話:全体、ライブシーン
11話:ありすシナリオ
12話:全体、ライブシーン

 12話という話数を上手く用いている印象。折り返しの6話でライブを入れることで中だるみ軽減とU149のライブへの期待感を煽っている点も良い。
 アイドル全員に個別回を与えて(ありす以外の)重みを等価にするのは単調なイメージを与えるデメリットはあるが、この物語が共感性を重視している作品であること、物語の大きな障壁のひとつが「デビューできない」であるため各々がアイドルになりたい理由を強調する必要があることからそれぞれのキャラの深掘りは必須だったと思われる。

印象的だったモチーフ

目(プロデューサー、ありす、夢を語るシーン)
階段(ありす関連、12話)
メッセージアプリ(LINE)
不思議の国のアリス、鏡
文字盤が0~19の時計
リボン
水(涙)
金魚

12話のレッスンのようなダイジェスト的に時を進める手法はよくあるが裏で絵を動かしながらLINEで説明をつけるのは他では代用が効かないメッセージアプリならではの表現だと思った。パッパッと短文のテキストが視覚的に流れることで疾走感が生まれていて、それがありすの親に対して送った(あるいは躊躇していた)長めのメッセージとの対比にもなっていた。
あとLINEとリボンで若干掛けてそう。

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