『TRIP TRAP TRAIN』 シナリオ分析
リアルタイムの感想
イチカのキャラ付けが気になる
若干一辺倒か感じがする
あと割と状況に流されっぱなし
→上手く回収された
カスミいいキャラしてる
大人サイド
☆イチカのキャラを主軸にした話
もうこれモモトークだろ
総評
「イチカの成長」「約束と信用」を主軸としたかなりシンプルな話
テーマの表現はメインストーリー並みに明快に表現できている反面、話がシンプルすぎる感はある(閉鎖空間だからその印象がより強い)
列車だけに一直線に一気に駆け抜けていった印象
良かった点
イチカの成長に焦点を当ててシナリオが作られているため全体を通してまとまりがある
物語の起こりがイチカのミスで始まり、カスミの登場からイチカが彼女に押され続けてアンチテーゼ(=自己を押し殺して任務に従事すべき)を提示、イオリの突入で話が加速してイチカが暴走→先生との絆(一番の盛り上がり)、エピローグという流れ
前後にカスミ護送の天丼がある以外は基本的にイチカの視点で物語が語られ続け、彼女が今回の主人公であることは言うまでもない
これほど1キャラにフィーチャーしたイベストというのも珍しい(桜花爛漫、古書館くらい?)
キャラの配役がいい
主要キャラがイチカ、カスミ、イオリの3人だけなのに上手く話が作れていたのは3人の性格の役割分担が上手く行っていたからだろう
イチカ(主役、常識人→狂人)、カスミ(悪役、狂人)、イオリ(ツッコミ役、常識人)みたいな感じ
話に疾走感がある
問題発生の理由もシンプル、キャラの登場もanother viewを用いて最低限唐突感を薄れさせつつ簡潔に済ませているので展開がころころ進む
カスミ
強力に場を引っ張っていく彼女の存在がイチカの成長を(納得感が得られる形で)引き出しただけでなく言葉で言い包める面白さとそれが暴力であっけなく崩れる様が話にメリハリを与えている
イチカ
イチカとの成長とイチャイチャを上手く描けていてよい
生徒からの感情の向けられ方が似たような方向性なのは若干気になり始めたが先生が庇護者という設定上仕方ない部分はあるか
悪かった点
シンプルすぎる
あっけなく終わった印象がある。そもそもの文字数も少なそうだがキャラの少なさや常に列車内にいるという絵面の変化のなさも影響していると思う
シンプルなのが悪いという訳ではないが、一回電車から降ろされるシーンがあればボリューム面での印象は多少違ったかもしれない
あるいは途中で謎にヒナの存在が語られるシーンがあったのでどうせならイオリ突入前に風紀委員会本部との通信が入ってもよかった
ティーセットを割った件、列車の時間の間違いなど
お咎めなしなのはイチカを「考えすぎ、我慢しすぎ」という風に描くもってこいだがその理由が直せるからというのはそれでいいのか感
また物語のきっかけであるイチカのミスにも理由を持たせていい気がした
たとえば最初にハスミから「よく眠れましたか?」→「ばっちりです!」の流れがあったので実は頑張り続けて寝不足だったからミスったという流れの方がイチカの株を下げすぎず尚且つ「自分を取り繕ってる」描写に繋がった
その他で気になった点
暴走後のイチカとの会話パートを2つに分けた理由
話の進行の都合もあるだろうが、一度中断させることでイチカの心情変化が急すぎないようにしたのだろうか?
最後の#???「……なあ、知ってるか?」
プロローグでは似た流れでセリフ無し、エピローグでは上記のセリフが挿入された形だが意図がよく分からない
例えばプロローグで#???「……なあ、知ってるか?」+それっぽい口上(温泉開発の際に用いられる○○爆薬のRE係数は一般的な△△と比べて××倍もあるから~(中略))みたいなのがあってエピではその省略形というのなら分かるがこの使い方はどういう意図があるのだろうか
強く印象には残ったが……
感想
先に物語を描きつつ間に主要キャラを軸とした話を盛り込む形がブルアカには多い印象だったが今回はイチカがあってから物語があるという形だった
さらっと読めてこれはこれで良いし変に引っ掛かる部分も少ない感じでよかった