うちの王子さま

昨晩のこと。

明日はお休みだけど仕事忙しかったから特に予定は入れず。りょうくんはスケジュールを聞いてきたクセに予定が会わなかったからのんびりしようかと思っていた。

でも久々に平日ゆっくり出来るしなぁ

勿体無いよね。友達のサロンに予約を入れようか?でもいつも急だしなぁ私。

んー、何しよう、、と考えながらお風呂から出たら

LINEの通知。


「会いた過ぎます」


こうくんからだった。

あの後おやすみ分かったらLINE下さいと言われていたけど、連絡しなかった。

良い子だったし気を遣ってくれた社交辞令だと思っていたからだ。

それに20歳のイケメンを自分から誘うなんて夢から覚めた熟女にはリアリティが全くない。

この子はなんていうのか、、ほんとにアイドルみたいな顔と高身長、ファッションもおしゃれすぎるし会って家にも来たのに現実感がなくて、私の世界線から一瞬消えていたのだ。

「連絡してって言ったのに、、」

こんな返信までもさすが抜かりないな、モテる子は違うな、、と思ってしまう私は歳を重ね過ぎてしまったみたい。

TwitterのTLで似たような状況の人妻さんのウキウキしたツイートから一転、音信不通気味になった相手の子をクズ扱いするツイートも散々みてきたせいか。

でもきっとクズじゃないのよ、付き合ってるわけじゃないんだし、目的を果たしたから連絡する理由がなくなっただけ。

誰も悪くない。

身も蓋もない言い方をすれば、そこに至るまでのプロセスは色々とあったとしても、お互いにヤリモクなんだもの。

客観的に見ながらそう気付いて自分に重ねてみると、若い男の子を追いかけたいという気持ちにはならなくなった。


だからこうくんにもLINEしなかった。

男の子って連絡しないと拗ねるクセに、
実際追いかけると面倒くさくなるでしょ?

熟女は無駄に傷つきたくないの。
メンタルの復活に時間を要するので笑


そしてまた、こうくんは私に会いにきた。

この間と同じいい香りがして、

この間よりも早く身体の距離は近づいている。


まだ暖まらない少し寒い部屋の中で

ベッドに潜り込んで延々とキスをしながら

〝うちにアイドル、、あ、王子さまがいるね″

と言ったら

「aoiさん専属の王子様やらせてもらってます」

と、ノリ良く返すところが若い子って感じがして好きだ。


散々抱き合って、ベッドから這い出して鏡を見た時に映る顔は、のぼせたような上気したような、すっかり毒が抜けてまるで子供みたいな感じに見えた。

帰り際こうくんは、私にキスをして

「休みの日絶対連絡してね。バイトなければすぐ来るから」

〝うん、わかった″

そう答えたけど、きっと私はこの間と同じように連絡出来ないまま時間が過ぎるんだろう。

自分から連絡するねと彼が言わない意味も
頭の片隅で冷静に考えている、妙な感じに大人になった熟女は、甘い時間を反芻しながら夢から覚めるのだ。


また会えたらいいな

そんな風に淡く願うよ。




王子さま

またいつか会おうね。






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