女たちの見る夢は
りょうくんから最近やたらとLINEが届く。
4ヶ月くらい会ってないんじゃないだろうか。
私はなんとなく会う気がしない。
1ヶ月、数ヶ月、1年。。
若い男の子って、全然会ってなくても急にものすごく会いたがってしつこいくらい連絡してくる。
私の数ヶ月、1年と、
君の数ヶ月、1年は
全然違うのよ?
そんな不自由な価値観で生きている私は、
やっぱりどこかで色々なことを気にしているのか。
りょうくんは20歳以上年下だ。
他の子だって似たようなもの。
この歳の差に、最近私は、目が覚めるような感覚で自分のして来たことを振り返っている。
きっと本当は、
会いたい時に、会いたい人に会って、
そこに性的な行為は含まれなくても
含まれても、ただ一緒にいるだけでも、
手を繋いで、
微笑み合うだけでも、友達のようになったり
恋人のようになってみたり、
どんな風でも、
年齢なんて関係なく
関わりあったっていいんだ。
先日会った大学生の男の子が酔ってご機嫌で
私の手を取って恋人繋ぎをして夜の街を歩き出した。
私はとても嬉しかったけど、
照れくさいような
少し悲しいような気持ちになった。
こうくんに、ラーメン食べに行こうよって
同年代の女の子を誘うように言われた時も
同じような気持ちになった。
「もういい歳の大人の女なのに、こんな事で喜んでいる私」
それがキャラじゃなくて自分で自分を
恥ずかしいと思ったのかもしれない。
ちょっと背伸びしてカッコつけた男の子達を
客観的に見ている私が私に、
勘違いするなよ、と
囁いているのかもしれない。
あぁ、本当に。
世界は自分の内側が反映されているだけの、
単純な写鏡なのだよ。
思うだけなら、何を思っても何を願っても良い。
だけど大人の女たちは夢を見ることさえも
自分に許す事が出来なかったりする。
現実をしっかり生きた上で見る夢は、
人生のご褒美。
今更、壮大な夢なんて見るつもりもない。
女たちが見る夢は、
普通の日常に、少しの甘さ。
今どんな気持ちであっても
甘い夢を見る自由はきっと誰にでもあるはずだ。