苦しくてたまらない
これから書く事は、読む人によっては嫌悪感を感じるかもしれないので、気分が悪く感じたらスルーしてください。
もう最近はずっとモヤモヤが引いては押し寄せて、自分の中で翔太くんに対する着地点が、完全に分からなくなっていた。
彼は私と知り合った頃、若さ故か、それとも性格なのか無意識にも意図的にも私を傷付け続けた。
気持ちを踏みにじられたと感じたことは何度もあったけれど、出会いが出会いだし、かなりの年の差もあるし、私もいい歳だしこんなものだとその悲しみを胸の奥に仕舞い込んだのだろう。
時々ふと思い出しては怒りを感じ、その奥にある悲しみにも何度も触れる事になった。
今思うのは、翔太くんを好きだという気持ちは、純粋なものではなくきっと執着なのだ。
あの頃の私の悲しみが、まだ成仏していない。
再会して2年ぶりに会った時、すごく嬉しかった。
それは本当だ。
でもほんの少しもやっとする感情にも気付いていた。
なんとなく彼女とマンネリかケンカばかりなのか、そんな空気も感じ取り、その日から私は出来るだけ翔太くんに寄り添った。
連絡がくればすぐに返し、
当日に会えるか聞かれれば無理してでも会い、
仕事で遅くなりすぎて謝る彼を労って、
怒らずにずっと待ち続けた。
そして会えば、熟女なりのセックスで尽くして
なんでもしてあげた。
段々と、連絡頻度は上がり
会えるまでしつこく毎日でも連絡が来た。
私とこの部屋に対して、他の人に取られたくないという所有欲のようなものを持ち始めたのだろうと感じ始めた頃
〝彼女と別れる“
と言い出した。
ここまで1ヶ月半。
再会した日に思ったとおりになった。
そこからは、すぐにでもここに来たいとう焦りが見えて色々な手続きも驚くほど早く済ませて、引越しさえも当日に決まったくらいだ。
どちらかというと私より、家に執着があるような気がするが、ここは私の家なので、出会った頃とは形勢逆転状態になる。
翔太くんは諸々ここにいる事が一番都合が良いのだけれど、
でも私も思う事があったりして無理だなと感じると出て行って欲しいとストレートに伝えてしまう。
だから最近の翔太くんは、日になんどもLINEを寄越し、私のご機嫌を取って、ごめんなさい、なんでもするからと謝ってばかりいる。
昔は、ごめんなさいなんて言われた事がなかった。
悪びれる様子なんて全くなかった。
今私に、好きだとか言う彼を
冷ややかに見下している自分がいる。
目的のために私を抱く彼を打算的で哀れだと
軽蔑している。
そしてこんなことしてまでここに居ようとする
今弱っている彼を可哀想だと思う私もいる。
復讐なんでしょう、私のやってる事はきっと。
気がつくと、最終的にはどうやって傷つけて追い出してやろうかと考えていたりする。
我ながら恐ろしくて嫌な女だと思う。
でも本当はこんな事がしたいわけじゃないから
だから苦しくて仕方ないんだと思う。
本当は彼女と別れた時点で終わりにすべきだった。
ここにいたいと言う翔太くんの希望を突き放すべきだった。
そう思ったりもするけど、多分私の復讐の気が済んだら翔太くんはすんなり出て行ってくれるような気がする。
私の思う〝好き“も
翔太くんの言う〝好き″も
全く純粋ではない。
そこだけは同じなんだ、皮肉なことにね。