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未熟な大人/子供の暴力13

〜始まる暴力〜


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つづき

今でも「死ね」と書かれた小物が
ポロッと出てくる
胸がズキっと痛くなる

そのうちに物を投げる行為から
私を部屋から出すまいとしてるうちに
叩くようになった
最初はまだ加減をしていた
私は叩かれると強く押しのけ
たまには抵抗する私の手がケンタの体に
強く当たることもあった

そうなると彼はもう逆上した

めちゃくちゃに私の体を
拳で殴りつけた
とにかく力も強く体も大きい
書き表せないほどとても痛かった

たまらず逃げようと階段をあがると
足を掴み階段から引きずり下ろした
痛くて動けないでいるとすかさず
腹を蹴られ
馬乗りになりまた殴られていた

祖父が止めに入り
さらに文句を言うが祖父を殴ることはなかった

次の日の私の体は
面白いくらい青紫の大きなアザができた
それを見るとまた泣けた

フッと浮かぶ
小さなケンタが「ママ!」と笑顔で
抱きついてくる瞬間とか
走り回ってキャッキャしているところとか
小さなケンタが何故かたくさん浮かんだ


これを境にケンタは私を殴ることへの
抵抗がなくなったのか
すぐキレて殴りかかるようになった

顔も殴られ眼鏡も飛んだ
顔を拳で殴られたことあるだろうか?
ビリビリと骨まで痛く
それが我が息子となると酷く悲しかった

それが毎日となると私は
息子に怯えるようになった
帰りたくないと祖父に泣いて話した
帰らないともっと逆上するだろうと断られた

祖父がいればまだ止めに入ってくれるが
祖母は、私の母は私の悲鳴を聞くと
「うるさい!!自業自得だろ!」と言うだけだった

自業自得?

ここまで登場しなかった祖母
私の関係は良くない
向こうがどうかは知らないが
さっきみたいなこと言う人だから
とうの昔に心の中で縁を切っている

殴られながら
「やっぱりこの人は母親じゃないわ」
と思いながらケンタが殴り疲れるのを
痛みに耐えながら待った

祖父がいう
「ママを殴らなくてもいいじゃないか」
「勉強なら一緒にやろう」

ケンタが泣き叫ぶように返した
「あいつは俺のこと殴ったのに 
 なんであいつには怒らないで俺ばっかり!!!」

何のことかと思ったら
幼少期に怒った時にバシッと叩いたり
あまりにいうことを聞かないと
山へ連れて行き言う事を聞けないなら置いていくよ?
ということをしたことはある

口でひとつも分からない子に
どうして良いか分からない私はそういうことをしていた
たしかにその行為を良いとは思ってない
でもみんながどうしてるか
こういう子にどう対応するのか?
考えても正解は分からなかった故の行為だった

ケンタはそれが未だに残ってるらしく
まるで昨日のことのように恨みつらみを話す
叩かれて警察に電話しようとしたこともあったそうだ
それは祖母に止められたらしい
知らなかった
いっそ電話してくれてたらよかったのにと思った
私は養育不適合者として離され
ケンタはもっとまともな扱いをされてたかもしれない

受験へのプレッシャーと
勉強がわからない苛立ちが私に向かい
過去で我慢していたことが爆発してたようだ
自業自得?
そうなのかもしれない

つづく




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