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【ぽる談】誰かへと届くヴィヴァーチェ感想

写真は全く関係ありません。先日行ったマリホ水族館(12月1日で閉館予定)のピンクな魚。惑ワ不の昭仁さんっぽい!となんでも結びつけてしまうポルノ脳。

さて先日10月30日に配信限定リリースされたヴィヴァーチェ。詞・岡野昭仁、曲・新藤晴一、編曲・ポルノグラフィティ、宗本康兵。カナデビア株式会社(元日立造船)の企業CMとのタイアップ曲です。因島にゆかりのある会社とのタイアップで胸が熱くなります。タイトルは速度標語のvivaceから来てるんですね。実際の曲のBPMもかなり速い。

昭仁さんの解説(ロマポルMC)によると、「多様性の社会において見えない枠に囚われて窮屈な思いをしている人も多い。その枠を飛び越えて自分らしさを出せるきっかけになれば」(ざっくり)といったことをおっしゃっていました。

リリックビデオは青と赤がメイン。これを最初に見たときにフランス国旗を連想し、そこからフランス革命まで飛躍してしまいました。これはポルノ的革命の歌なのか?と。曲の歌詞にも”解放”という言葉が出てくるし。自由・平等・友愛。

それはさておき。リリースされてからひたすらヴィヴァーチェを聴き続けています。次から次へと溢れてくる個人的な勝手な感想を思いつくがままにXにポストしてたんですがまとまりがなさすぎるのでnoteにまとめようと思いまして。長文を書くためのnoteだし。あくまで私の勝手な感想です。ちゃんとした考察ではありません。あしからず。


まず冒頭から。

パントマイムの壁

パントマイムの壁の中に囚われたのはキミ

ポルノグラフィティ『ヴィヴァーチェ』

私のことじゃないか、と思いました。私は過去に何度も「お前はすぐ壁を作る」と散々言われてきました。パッと思いつくだけでも4人の顔が浮かびます。最初の上司、次の上司、転職後の年下の部下(部下なのに?)、次の転職先の上司。他にも色々言われていると思います。本当にすぐ壁を作りますから。必要のない壁を。そして自ら他者とのコミュニケーションを遮断してしまいます。傷つくのが怖いから。
ちなみに、部下なのに「お前は〜」と言われていたのは同僚以上恋人未満(うまく説明できない)だったからです。職場では私に敬語だけど2人になると「お前はさぁ」とすぐぐちぐち説教を始めるムカつくやつでした。性格に難があるのに顔が良いので抗えませんでした(こら)。

すぐ脱線するので許してください。皆、私のために言ってくれているのはよくわかります。でも壁を壊す方法が全くわからなかったんですよね。あの頃ヴィヴァーチェがあれば少しは楽になれたのかな、と思います。
ちなみに今の職場には私の事を「お前」と呼んだり頭ポンポンしたりするような人はいません。むしろ私の方が偉そうです。そりゃこの年齢だしね。とても強くなりました。

解放の合図

解放の合図
知らせるのは誰だ?首を振って探す

これはもう解放区とのつながりを意識するしかないでしょう。同年リリースの曲ですし。解放の合図とはすなわち解放区における”喜びのファンファーレ”であり、そのファンファーレを知らせるのは誰でもなくキミ自身。

ひとつ気になったのは所謂「自分の機嫌は自分でとれ」って言われてる気も少ししたんです。今の状況は全て自分次第だと。
私は必ずしもそうだとは思わない方で、社会に少なからず責任はあるはずだと思っています。就職氷河期世代なので特に。自分の力だけではどうにもならないことがある。
それでも、この曲では解放の合図は自分だけに届けたらいいよ、と背中をさすってくれる何かがあります。つい他人のことまで背負ってしまい生きづらさを感じている人にとって優しい言葉。かといって自己完結では終わらない曲。大サビではそれが誰かに届くヴィヴァーチェ。優しい世界が待っています。

ただ、この解放区とヴィヴァーチェで”解放”という言葉が重なって使われているんです。解放って「開放」と違って、ただ開かれた状態ではなく重苦しい現状に囚われていることが前提なんですよね。その単語を選ばざるを得ない、という状況に「あ、私たちって今抑圧されているんだな」と実感してしまったんです。物価もそうだし給料も上がらないし世界情勢も常に不穏。明るい未来が待っているとは楽観的に思えない状況で。多様性と謳ってはいるけれど、その割には皆他者に対してとても厳しい。失敗を許さない社会になってきている。
そういう状況の中、解放区では暗闇のまま立ち止まってもいいよと受け入れてくれたけど、ヴィヴァーチェでは少し進んで曇り空でも立ち向かおうじゃないかと言われている気がします。そのためには自分達で社会を変える必要がある。そういう点で前述したリリックビデオから私の中で革命のイメージになったんです。みんな選挙に行こうね。

キミとは誰か

ヴィヴァーチェでは”キミ”という二人称が7回出てきます。というか二人称しか出てきません。キミ、とカタカナで書かれると不特定多数の人かなと想像します。それにはもちろん私も含まれます。冒頭から自分の事を言われてる、と感じたし。
そして、私はキミとは岡野昭仁自身ではないかとも思いました。この曲は自分を鼓舞する歌ではないかと。特にCメロの歌詞は昭仁さん自身の歌のことかなと。

もっとお気楽に力抜いて行けよ
だって強張ったままじゃ響かない
キミの声は

実際ここのパートは力を抜いて優しく歌ってましたね。これを聴いて、かつて昭仁さんがPerfumeのポリリズムをカバーした際スガシカオさんに「そんなに青筋立てて歌う曲じゃないよ」と怒られた、というエピソードを思い出しました。

でも大サビでは“キミの奏でる旋律があゝ美しい“と言っていて、ギターソロの直後なだけに晴一さんの事を指しているのかとも思います。そういう感想もちらほら見かけました。だからやっぱりキミは昭仁さん晴一さん含めての不特定多数のみんな、という解釈がしっくりくるかなと。

と長々と。他にも好きなフレーズたくさんなんです。「キミの立ち位置を少しズラしてみたら〜」の部分とか。
リリース直後にこんなに長く感想を書けるなんて、noteというよい遊び場を見つけられて良かったなーと思います。

あと。歌詞のことばかりなので音の事も。カスタネットの音とベースのリズムがとても荒ぶってて気持ち良いですよね!何より冒頭のギターリフ!私がギターキッズならずっとこれ弾いてそうだな。次にライブで聴けるのはいつだろう。

おまけ。私世代の人はヴィヴァーチェと聞いてきっと資生堂を思い出した人が少なからずいるはず。

どうでもいいですね。おわり。

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