雑談・Working women blues
まずは一曲。ポルノグラフィティさんでWorking men blues。トップ写真はダリアだけども。
仕事を辞めるって続けることと同様に気力を使うので大変ですよね。自分のため、誰かのために働いても我が身をただただ消耗するだけの日々。もう辞めてやれーと過去に何度も思いました。
最近は退職代行サービスなんてものがあるらしくていい時代ですね。別に今辞めたいと思っているわけではないんですけど、昔のことをふと思い出して、こうして書いてみる。
私は新卒で某企業に総合職として入社します。主に営業です。大学では心理学を学んでいたのですが、それを全く活かすことなく就職活動。大学時代は結局ただ動物実験と統計学をひたすらやって終わったので社会人になって良かったスキルといえばExcelなどを使いこなせるようになっていた事くらいで。
無能の鷹の鷹野ツメ子ではありませんが、漠然と「キャリアウーマンになりたい!」という浅い願望で入社しました。自分の適性など知らずに。
研修期間は結構長くて、1ヶ月以上丸々広島県内の島にある会社の保養所的なところでカンヅメにされ仕事のノウハウを学びました。男女総勢20名以上が土日以外ずっと一緒に寝食を共にしながら仕事とは、営業とは、という事を学んでいきます。
この1ヶ月、色々ありました。察しの良い方はお気付きでしょうがきっと恋愛リアリティショー的な番組の密着が入ってたら面白いモン撮れたと思います。だって大学出たての男女が一つ屋根の下で暮らすんですから。
研修は?というとまだこの頃はロールプレイでしか営業ノウハウを知らないので本当の厳しさなど全く分からず。
そしてそれぞれ適性などを判断されて各営業所にバラバラにされます。ちょっと寂しかったなー。その頃気になってた人とは別の部署になりました。何しに入社したんだ私。ちなみに当時学生の頃から付き合っていた彼がいましたが、すっかり気持ちが離れていたので別れ話をしよう状態の私でした。バーボンかなぁ…(ここは東京ってにおいのする暗いbarではない)
またすぐ話がそれる。
営業所に配属されてからもしばらくは先輩にくっついているだけなのでそんなに大変ではありません。
それが徐々に大変になるのが夏を過ぎてから。あれ、この仕事全然好きじゃないと思い始めます。表面的な仕事のカッコよさしか見てきてなかったから、こんなに泥臭くて清濁併せ飲みながらやっていかなくちゃならないなんて知らなかったよ(綺麗な指してたんだね〜とJ-WALKが脳裏をよぎるがスルー)
販売するものは通信・印刷機器など。たいして興味のある商品ではない。それにそうそう頻繁に買い換える値段のモノではありません。基本個人ではなく会社向けの商品ばかりだし。私はつい中小企業の懐事情に感情移入してしまい「いらないよねぇ」という感情を頭の片隅に置いたままプレゼンをするわけですから売れるわけがない。
広い視野で捉えると買い換える事によるメリットがあることも多々あるしビジネスソリューション的な事に貢献できたりもするんだけど、まだまだペーペーの私には全くピンとこない話で。
そんな低いモチベーションの中ただただ年月は過ぎていき。そして仕事で少し面倒な事に巻き込まれたりしたのもこの頃。取引先の社長の息子に粘着されてしまい、徐々に取引先に行くのが怖くなり外回りのフリしてミスドへ直行、なんて事もザラ。更にプライベートでも色々とうまくいかず全ての歯車が噛み合わなくなった3年目。
でも、だいたい皆言われるじゃないですか。「3年は頑張れ」って。私はそれを鵜呑みにして深い森へ。
そんな時にポルノグラフィティに出会い、少しずつ気持ちが上向いていきます。楽しい世界に足を踏み入れる。陽の当たる場所へ抜け出せそうな予感。
そして意を決して上司に辞めたい、という話をします。これが本当に辛かった。もし人間関係が希薄な職場だったら、続けるのが無理なら行くのをスパッとやめていたかもしれない。今みたいな退職代行でもあれば尚良し。
でも、上司も先輩も同僚も後輩もいい人ばかりで。逆に相談しづらい日が続いていたけれど、私の心の中にあるグラスはもう水が溢れ出ていて受け止めきれなかったので意を決して言う事にしました。どういうふうに話したのかは思い出せないんだけど。シンプルに「辞めたいです」って言ったのかな。
すると上司はこんなことを言います。この言葉は未だにはっきりと耳に残っています。
「それは相談か?報告か?」
と。字面だけだと怖いな。そんな怖い人ではありませんのであしからず。
私の心は漏水状態なので考えることなく「報告です」とぽろぽろ泣きながら言いました。どうやら私の様子がおかしい、辞めそうだというのは気づいていた、との事。取引相手との辞めてもおかしくないトラブルなどもあったので。
でも「相談」だったら引き留める予定だったそうです。報告ならもう心が決まってるんだから仕方ないと受け入れてくれました。
そうして丸3年働いた職場とさよならをする事になります。自己都合で勝手に辞めるのに送別会も開いてくれました。未だにこの会社の同期たちとはうっすら繋がっていて、グループLINEもあってたまに同期会もあったりして。まだいる人間も辞めた人間も細く長い繋がりがあってありがたいな、と思います。
ふと、そんな事をWorking men bluesを聴きながら思い出しました。自分に最適な場所を見つけるのって難しい。
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