アートで楽しむ!マジック:ザ・ギャザリング モダンホライズン2(天使編)
長いおうち生活の中で、手軽にできる娯楽といえば、ゲーム。
みなさん、ゲームと言えば何をやってますか?スマホゲーム?据え置き機?それとも家族で輪になってボードゲーム?カードゲーム?
今回、私が推すのは「トレーディングカードゲーム マジック:ザ・ギャザリング」です!
どうも、ゲームの際はお酒を控える私です。
1993年に発売された世界初のトレーディングカードゲーム、マジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)は世界でもっとも多く遊ばれているトレーディングカードゲームとしてギネス認定され、最近ではモバイル化もされてTVCMを打つなど、その勢いは発売から30年近くたった今でも衰えることを知りません。
このMTGの売れ行きを受けて、多くのメーカーがトレーディングカードゲーム(以下TCG)を次々と発売し、今日ではTCGはゲームの一大ジャンルとして確固たる地位を築いています。
ゲームの魅力は多岐にわたっていますが、MTGの特徴の一つとして、日本産のアニメやマンガ調のイラストを使用したTCGとは違う、絵画のようなアートワークが挙げられます。ここでは特に「アート」に注目した記事を連載していきますね。
※カードレビュー記事ではなく、カードの金銭的価値を論じる記事でもありませんので、あしからずご了承ください
■モダンホライズン2
日本では2021年6月11日に発売されるモダンホライズン2は、フォーマット「モダン」「エターナル」で遊ぶことのできるカードセットで、過去のカードセットに出てきたメカニズムやキャラクター、そのリメイクが楽しい回顧趣味のセットでもあります。中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界、白銀で覆われた金属の世界、10のギルドに支配された都市の世界、人間くさい神々が信仰を集める世界、魔力のライフラインがはりめぐらされた発明と発展の世界、魔物や怪物が跋扈するゴシックホラーの世界など、まだまだここには書ききれないほど魅力的な世界と、それを彩るゲーム的メカニズムがちょっとずつ詰めこまれた魅惑のセット、それがモダンホライズン2です!
まあ、私も始めたのは基本セット2010(2009年発売)なので、すべてのキャラクターやメカニズムをかんぺきに把握しているわけではないんですけどね。モダンホライズン2のキービジュアルである黒き剣のダッコン(Dakkon Blackblade)さんも知らないお方ですし……
■モダンホライズン2の天使たち
初回の記事では、私がコレクションしている種族でもある「天使(Angel)」をご紹介していきます!
セラの使者
セラの使者の「セラ」とは、自分で自分の理想郷を創り上げた女性のプレインズウォーカーの名前。MTG最古の天使の名前も「Serra Angel(セラの天使)」です。MTGでは武装した勇ましい女性の天使が大多数を占め、戦う天使のイメージが強い傾向にあります。
セラの使者も片手に剣を持っていますが、物質ではなく光を剣の形に成形しているような様子。鎧や盾などを装備せず、頭の後ろの円光もあいまって力強いというよりも、神聖な雰囲気を強く感じさせます。すべてのクリーチャーとプレイヤーにプロテクションを与えるという能力から見ても、「剣にできなければ信仰が勝る」というフレイバーテキストから見ても、戦って敵を撃滅するよりも圧倒的な力で味方を守る、といった役割なので、このアートワークはぴったりですね。
絵師のNils Hammさんはホラー畑出身で、暗色を巧みに使う美しくも不気味な作品を手がける一方、なんだかおかしなテイストのある作品も描く作家さんです。
スレイベンの見張り
第一印象は「モブっぽい」。
スレイベンは次元「イニストラード」の中の地名。怪物や魔物があふれ返るイニストラードにおいて人間たちの拠点となる土地です。このアートの背景にはそのスレイベン大聖堂、あるいは天使舎(天使たちの住まい。待機場所)が描かれていますね。武装していないところを見ると、脅威が迫っていないのか、それとも戦闘には参加しない天使なのでしょうか。他のクリーチャーを+1強化して警戒を付与するという能力からすると、後者の解釈がより合っているような気がします。
フレイバーテキストを読むと「彼」となっているのが気になるところ。明らかに女性の天使なので、どこかからの引用でしょうか。
絵師のBastien Lecouffe Deharmeさんはダークファンタジー、サイバーパンクなどのジャンルを得意とする作家さんです。
栄光の執行官
たまに出てくる黒人系の天使。黒い肌に純白の装束、金の武器・防具などがシンプルなカラーリングで映えます。背景は夕日の空なのか、朝焼けの空なのか……
戦闘の開始時に相手よりライフ量が上回っていると二段攻撃を得るという能力を持ちます。通常、プレイヤーの初期ライフは20点なので、パワー5の二段攻撃ということは、この天使に計2回なぐられたら死ぬということです。おそろしや。
フレイバーテキストもなかなかぶっそう。『あなたたちは生きるに値しませんが、安心なさい。綺麗な死を勝ち得ました。』
いろいろと応用が利きそうですね!『あなたたちは上司に値しませんが、安心なさい。無様に降格となりました。』
絵師のEric deschampsさんは現代的なカートゥーンタッチ、リアルなタッチと画風の幅が広い作家さんです。ちなみに名前の読みはデスチャンプではなくデシャン。
天使の学芸員
過去のエキスパンション「ウルザズ・レガシー」よりの再録となる、「天使の学芸員」。パワーもタフネスも1と微弱ですが、アーティファクトからのプロテクションという珍しい能力持ちです。相手がなにかやばいアーティファクトを使って攻めてくるようなら、この学芸員に処理してもらいましょう。
アートでは神殿か、もしくは美術館のような場所でたたずんでいるところが描かれています。しかしライトの当たり方といい、立っている場所といい、まるで彼女自身が展示品のような印象を受けるように仕上がっていますね。それこそ物品、アーティファクトのように。アーティファクトからのプロテクションを持つというのも、こういった環境に身を置いている反動なのか……と深読みしたくなります。
絵師のGreg Staplesさんはリアルなタッチを身上とし、スターウォーズ、アメリカンコミックものなどを多く手掛ける作家さんです。
霊体の先達
同じく「ウルザズ・レガシー」からの再録、「霊体の先達」。背後の太陽を思わせる光を浴びて神々しく輝き逆巻く黄金の髪、降下直後なのか、大きく広げた翼もまた金色にふちどられています。手には武器には不向きな形状の杖を持ち、視線は卵型の球体に包まれて胎児のポーズを取る人物に向けられています。人物は戦いで命を落としたのでしょうか。もう戦いたくない、という気持ちでこのポーズなのでしょうか。
墓地のクリーチャーを戦場に直接復活させる能力を持ち、2/2ながらも黒に対するプロテクションを持つので、相手のデーモンや吸血鬼といった黒の航空戦力をかわして攻めに行ったり、守りを固めたり。コンボパーツとしても大活躍したカードです。
英語名では「Karmic Guide」となりますが、訳し方が気になるところ。「Karmic」は「カルマ的な、因果の」といった意味なので、Guideも含めて「霊体の先達」と訳したのはかなり冒険ではなかったでしょうか。死者の魂を天上へ誘うのではなく、再び戦場へ導く能力とフレイバーからすると、個人的には「因果の導き手」くらいの訳にしたかったところです。
絵師のAllen Williamsさんは外骨格をまとった人物像、長く伸びて丸まった頭部など、映画「エイリアン」をほうふつとさせる作品を作る作家さんです。
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いかがだったでしょうか?以上、今回はモダンホライズン2から天使のアートワークをご紹介しました!
MTGにはほんとうにたくさんのアーティストがさまざまなアートを提供しているので、お気に入りのアーティストのアートワークだけを集めてコレクションしている人もいるくらいです。私も天使のカードをコレクションしていますが、それはさながらアルバムの中の美術館。すぐに手に取れる所において、お酒を飲みながら鑑賞しては満足げにうなずいたりしています笑笑
※(すぐに手に取れる所に置いておくのは災害とか起きた場合にすぐ持って逃げられるようにとの意味もあります)
みなさんも、ちいさな美術館的なものがありましたら教えて下さいね!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、ごきげんよう。
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