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漫画・アニメレビュー:2024年冬アニメ2~3話感想 その②

■姫様“拷問”の時間です 2~3話

 1話を見た時の(これ、このまま食べ物だけの拷問で進むのかしら……)という心配は杞憂でしたわ。同年代の友だちと遊んだ記憶が少ない姫様に対する「目の前で楽しそうにテレビゲームをする拷問」、これは……わかりますわ!子供のころ禁止されていたものは大人になって反動が出ます!わたくしがゲーマーなのもほぼそのせい!
 意志ある剣・エクスの声とツッコミ役とが見事にマッチ。いつのまにかわたくしもいっしょになってツッコミを入れてしまいますわ!温泉に浸かってジャイアントに抱きしめられて思い出す存在しない記憶(和風)のアホさ加減(誉め言葉)といったら!
 そしてわたくしも屈してしまいそうな拷問、「自己肯定感の低い幼女によるいっしょうけんめいな拷問」。ぷちぷちを潰していくという、本人的には楽しいのでしょうけど特にうらやましくはない拷問……あまりにも健気けなげでかわいくて……過去イチ厳しい拷問でしたわ……
 2話でようやく気付いたのですけど、姫様役は白石晴香さん、聖剣エクス役は小林親弘さん。「ゴールデンカムイ」のペアなのですね!どおりで聞いたことのあるやりとりだと思いましたわ!視聴継続!



■戦国妖狐 2~3話

 3話まで視聴しましたけど……うーん……
 つまらないですわね……
 ではどこがつまらないと感じるのか?
 まずひとつ目が「展開が遅い」ということ。どんな世界で何をする物語なのかというところが見えづらく、スロースターターにもほどがございますでしょう、という印象が強いですわ。妖狐の少女と仙道の少年が世直し旅を、というのは本人の口から語られてはいますし、敵っぽい僧兵集団がいますけれども、おそらくそういう展開にはならないですわよね?これ。
 ふたつ目はキャラクターもストーリーも「地味」ということ。キャラクターの成り立ち・目的・性格などの描写が弱く、人体改造を行っている僧兵の本山に向かう時も直談判とかではなくいきなり交戦し始めたりと、そこはもう少しヘイトをためるなり僧兵側に因縁のある人物を出してからにしたほうがいいのでは?と首をかしげざるを得ないところが多々ございます。
 みっつ目が「ストーリーありきでキャラクターを作っているのではないか疑惑」。現在のところ主人公サイドにひとりも感情移入できるキャラクターがいないのです。なにか……みなその場の思いつきで行動している感が拭えず、「役割」だけ与えられて「設定」をないがしろにされている、そういった感じですわ。そう、わたくしの大嫌いなキャラクターの記号化ですわね。
 そしてこれは面白さのスロースターターっぷりにも関わってきます。いかに序盤が静かで地味な立ち上がりでも、キャラクターに魅力があれば、面白いと思わずとも少なくともつまらないとは感じないはずなのです。この方の作品は他にも尻上がりなものが多いという話を聞くにつけ、こういう作り方が良いと思っているか、もしくはこういう作り方しかできないのでは──という考えを持つに至りましたわ。よく『〇〇話まで待てば面白くなるから』『〇〇巻まで読めば面白くなるから』という話を聞きますけれども、視聴者や読者に我慢を強いる作品を良作だとは思いません。娯楽は苦行ではないのですし、「内容が辛くて苦痛」と「内容がつまらなくて苦痛」は別物です。
 とはいえ、音楽はevan call氏、EDは元Kalafinaの低音担当のKeikoさん……音楽の力でなんとか持ちこたえているので、もう少し観てみることにいたします。



■ぽんのみち 2~4話

 麻雀をメインにやっていくのかと思っていたら、お胸の大きなかわいい女の子たちの隠れ家スローライフだったでございます。
 背景作画は初回と変わらず広島県尾道のどこかを描写したもののようでとにかく美しく、メインの女の子四人も文句なくかわいい(場面転換時に出てくるミニキャラもかわいい)ですし、アニメーションもよく動きます。
 でも、それだけ。カレーをつくったり、スマホの麻雀ゲーム(実在のゲーム)をしたりと、麻雀をろくにやっていないのが何よりの不満。ゆるいスローライフを楽しむためのアニメだとしたら、麻雀が覚えられるかもと思って見始めたわたくしには全く合いませんわ。あと麻雀漫画のパロディを執拗に入れてくるのがトドメでしたわね。これは麻雀をした経験があって、なおかつ麻雀漫画のファンだった人向けのアニメです。麻雀への好奇心で見るものではございませんわ。4話切り。



■明治撃剣─1874─

 ヒドいッッッ!

 キャラデザからストーリーから脚本からアニメーションまで何から何まで酷いですわッ!!!なぜこの企画を通してこの出来でゴーサインを出しましたの!!!エンドクレジットがすべて英語表記でしたけど、これはどこ向けの作品ですの!!!まさかこれを海外輸出しようなんて思っているんじゃあないですわよね!!!
 戊辰戦争から明治初期というサマになる時代を背景にしておきながらいきなり能力者バトルですか。数本の矢を受けて(しかも服に)彼方の壁まで吹っ飛んでいくのは噴飯ものでしたわ。この世界の物理法則どうなってますの?声優の無駄遣い。1話で切り。



■スナックバス江 2~4話

 どうやら原作勢の方々からはテンポが悪い、ギャグ漫画の味を殺しているなどと不評な様子ですけれども、わたくしは今のところ楽しめております。いろいろなパロディネタの中でジョジョやクトゥルフなど、わたくしにも理解ワカるものが入っているのが大きいですし、そもそもこういった酔っぱらいの生態を観察するのが好きなこともあるでしょう。金曜の夜とかにお酒を飲みながらダラダラ観るにはちょうどよい加減なので、視聴継続。



■最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。 2~3話

 3話目にして1話の前日譚をやり始めるというテンポの悪さに閉口。5歳の女の子に暴力をふるって追放し、生死問わず賞金をかけるという非道さにもっと閉口。しかしいくらなんでもゲーム的に授かったスキル──というかそれに付随して授かるランク──の有無で、昨日まで慈しんで育てていた年端も行かない子供にこのような仕打ちをするというのは狂いすぎているので、宗教的な洗脳が村を支配しているのでは?という考察も成り立ちます。
 その一方で、世界観の設定や脚本が煮詰められていないところも散見されますので、ちょっと視聴継続に黄信号が灯ってしまいますわね。作画は危ういところがあるものの、やる気はまだ感じられますし、演出や音楽は高いレベルを維持していますので、とりあえず視聴継続。
 

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酎 愛零(ちゅう あいれい)
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