【留学窓口】放課後_高校2年生
私は当時、オーストラリアにどうしても行きたかった。
ただ、私の上に大学院生の兄、大学生の姉がいるため、短期留学をするにも家計として現実的ではない。
当然私も遠慮をする。英語科に入っていれば、「学科のルール上渡航しなければならない」ということもあったかもしれないが、私の学科は商業科目のど真ん中だった。そんなこともない。
ある日、真面目な担任の先生が毎日丁寧に書いている学級通信を何気なく見ていたところ、
「とあるボランティア団体の支援で1カ月留学できる」という夢のような応募を学校内で受け付けていた。
どうやら、T先生という先生が窓口らしい。まったく接点のない先生だが、見た目が「りかちゃん人形のパパ」のような優しい雰囲気で、好感を持っていたのでが抵抗はない。
職員室に行って、話しかけてみた。
「あの、短期留学の件で、話を聞きたいんですけど・・」
T先生「・・え?」
私「あの、なんか、ボランティア団体の支援で留学できるとかなんとかというやつです」
T先生「・・・。・・・あー!あれか!誰からも応募がないから、すっかり忘れてたよ。君はラッキーだね。たしか英語科の生徒は丁度学内の留学プログラムと被っていて、英語科からは絶対に応募がないよ。ほかに応募する人がいなければライバルもいません。応募期間終了まで待ってね。」
とのこと。
なにかわからないけど軽やか。
そして、なんとなくさわやか。
ということで私の夢はあっさり叶いそう。
わたしは、翌年、オーストラリアにいけることになりそうです。
つづく。
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