ーEAST LOOP物語第9話ー いよいよデビュー
被災地ではポツポツと編み手さんたちが集まってきました。
何度も練習を重ね、最初は難しいなぁといっていた人たちも
太い毛糸で編む練習を繰り返し、腕をあげ
多少の大小はありながらもハートのカタチができるようになっていきました。
そして何より
できるようになった人が初心者に教えるという流れができたのです。
いつの間にか講習会の会場には多くの人が集い
楽しいおしゃべりや、笑い声があふれるようになりました。
大阪の私たちは、ブローチにつけるためのタグを作ったり
パッケージを考えたり、より多くの人に知ってもらうように
メディア掲載の可能性を探りました。
また、目的の一つである被災した人たちがEASTLOOPの編み物で
「仕事を通じて精神的なサポートにつなげる」
ために何ができるのか考え続けました。
EAST LOOPというブランド名のように
被災地とお客様が何か交流ができないか。
いや、もっとパーソナルな感じ。
「商品」ではなく、「つくった人の作品」としてとらえてみてはどうだろうか。
購入した人が、作った人にダイレクトにメッセージを送れたら、編み手さんにとってもきっと大きな励みになるはず
そんなことができないか。
2011年当時、ソーシャルネットワークサービスのFacebookが広がっていた時期でした。
これを活用できないだろうか、と思ったのです。
商品や現地の様子を発信することはもちろん
購入した人が寄せ書きを送るように、何らかのメッセージを現地に届けられるのではと、Facebookの可能性を感じていました。
そして
せっかくのメッセージだから、このブローチを作った人に届けたい。
お互いが交流できたらと思ったのです。
そこで、商品の台紙の裏に、作った場所(被災地の地域を知ってもらいたかった)とニックネームを入れることにしました。
これによって、購入者はFacebookから作った人に向けて、コメントを送ることができるようになり、それを編み手さんに届けることが可能になります。
編み手さんたちにとっても、自分の名前(ニックネーム)が掲載することで、作品への心の込め方が変わってきます。
顔は見えないけど、お互いが心を通わせるきっかけになる、そんな仕掛けを作りました。
そして、2011年7月20日に華々しくデビューすることができました。
以前、被災地の支援のためにこんな取り組みをしますと
まだ商品もできていないのに宣言させていただいた、高島屋大阪店の店頭を飾りました。
被災地に、初めて訪問してから3か月後のことでした。
最初に訪問したときには、EAST LOOPの取り組みについて理解が得られず、これは無理かもしれないと思っていました。
ですが被災した人にとって、この取り組みは必ず必要になるはずと
自分の経験と体験をもとに
信じて、
走って走って、走り続けた3ヵ月でした。
不安がなかったと言えばうそになりますが、
本当に本当に多くの人が
励ましてくれて
声をかけてくれて
知恵やアイデアをくれて
共感してくれて
支えてくれたからこそ
発売に至ったのだと思います。
改めて、サポートしてくださった皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。
デビュー当日、嬉しいことに関西テレビの取材が入り
何度もニュース番組で紹介していただきました。
その後も、読売新聞、産経新聞、日経新聞、毎日新聞
他にもテレビ・ラジオなど…
多くのメディアがこのEAST LOOPの取り組みを紹介してくれました。
そして、この小さなチャレンジが思いもかけぬスピードで広がっていったのでした。
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