―EASTLOOP物語 第5話―プロジェクトを進めるうえで大切にした3つのこと
自分の経験から確信していた実感
仕事によって得られること
(褒められること、役に立つこと、必要とされること)
が、絶対に被災した人たちにとってきっと必要になると信じ
先が見えなくても、プロジェクトを進めてきました。
フェアトレードの考えを取り入れて、それぞれの役割分担をイメージして
ビジネスモデルを組み立てました。
そして、プロジェクトを進めるうえで大切にしたいと思ったことが3つあります。
1つ目は
① 長く続けられる体制をつくること
被災地のひどい状態を目の当たりにしたことで
復興まで気の遠くなるような長い時間がかかることは容易に想像できました。
その為には、一過性のイベントではなく
多くの人が参加でき、長く支援できる組み立てが必要だと考えました。
その為に必要なことはシンプルです。
ステークホルダー(関係のある人)が疲弊せずに続けられるような仕組みづくりが大切でした。
チャリティとして素材の提供を受けることができても、継続は難しいです。販売店も同様に、経費すら捻出できないものを継続的に売ることは無理が生じます。
結果、売る場所が少なくなればなるほど、被災した人の仕事は減ってしまいます。
中心になって関わる私たちも、営業やPR、生産管理、経理業務など外からは見えにくい業務が山積し、ボランティアで続けるのは限界がありました。人件費を捻出できるぐらいのコスト配分を当初から考える必要がありました。
復興グッズの多くは、100%生産者に売り上げが還元されていましたが、このプロジェクトは50%が手元に届くように設計しました。
結果、多くの人たちが長く無理なくかかわることができ、10年も続いたのだと思います。
2つ目は
② 被災者に負担をかけないようにすること
私たちがこのプロジェクトの商品に編み物を選んだのには、それなりの理由がありました。
編み物は自分のペースで取り組むことができる。
被災した人たちはみな心の傷を負っていました。
そのため、体や心が悲鳴を上げているときに納期ありきで仕事を続けるのは難しいと思いました。
また、失敗作を作ってしまい心が折れることもあるでしょう。
その点、編み物は失敗してもほどいて編みなおすことができ、材料を無駄にしてしまったという挫折感を味合わずにすみます。
しかも、かぎ針編みは最低限の道具でできます。
必要なのは「かぎ針」と「閉じ針」だけ。
避難所や仮設住宅の狭い環境でも、音を立てず静かに作業をすることができます。
いつの日か、みんなが集まってワイワイとにぎやかなおしゃべりをしながら編んでいる姿を何度も何度も想像して、構想だけは進んでいきました。
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