【翻訳】BobHaungによるレガシーのサイドボード構築法
Channel Fireball より、Bob Haungによるサイドボードに関する記事です。
サイドボーディングに関する考えを多くの角度からみるべく、今回もサイドボードの記事を紹介します!
原文はこちら
※一部意訳を含みます
はじめに
この記事を読む前に、PVの素晴らしい記事をチェックすることをおすすめします!私は、彼が書いた多くの記事に影響をうけ、レガシーに応用しています。
7 Keys to Sideboarding Like a Pro
Sideboard Better: Control
Sideboard Better: Aggro
Sideboard Better: Combo
サイドボード後のゲームは、メインボードよりもおよそ50%ほど多くプレイするため、勝率を上げるうえで、戦う可能性のあるゲーム数のアンバランスに注目する必要があります。
数学に興味がない場合は、次のチャプターをスキップしてください。
Chapter1 マッチウィンの割合の式
Xをメイン戦での勝率、Yをサイドボード後の勝率とします。
Zをあなたの対戦相手の対戦勝率とします。
このとき、
Z=G1、G2に勝つ確率+G1に勝ち、G2に負けG3に勝つ確率+G1に負け、G2とG3に勝つ確率
これを簡素化すると、
この式から簡単に導ける結論はありませんが、私は個人的にすべての勝敗を記録し、この公式を利用してプレイするすべてのデッキに対する勝率を決めます。
サイドボードとどのような関係があるでしょうか?
式をみると、マッチにおいて、サイドボード後のゲームが非常に重要であることを示しています。
ゲーム1の50%に勝った場合、マッチの勝率はサイドボード後の勝率(Y)とまったく同じです。しかし、サイドボード後のゲームで50%の勝率を得た場合、マッチ勝率は0.5X+0.25となります。
いくつか、具体的な数字を紹介しましょう。
サイド後の勝率が50%で、ゲーム1で60%の勝率を得た場合、マッチ勝率は55%であり、ゲーム1の勝率が90%だった場合はマッチ勝率は70%です。
対照的に、サイド後の勝率が90%ある場合、マッチの勝率も90%です。
もちろんサイドボード前のゲームも重要ですが、数学がどれだけ重要かを数学的に示したかったのです。
デッキを比較する際は、上記の式を利用して勝率を記録すると良いでしょう!
レガシーの歴史において、フェアデッキはアンフェアデッキよりも、ラウンドの多いトーナメントでパフォーマンスを発揮する傾向にあります。
速度を下げる戦略に対するサイドボードカードは、フェアな戦略に対するサイドボードカードよりもはるかに強力です。
Chapter2 サイドボード構築101
それでは、実際のサイドボード構築のガイドラインをいくつか見てみましょう。
最も重要なことは、あなたが倒そうとしている全てのデッキに対して完全なサイドボードの計画を着実に行い、あなたが行っている「トレードオフ」を理解することです。
普段、私がデッキ探しを始めるとき、トーナメントで勝ったリストを見て、トップメタのデッキに対して柔軟にメインデッキのスロットを選択します。
コンボデッキは通常、サイドボード後に簡単にコントロールされてしまうため、フェアデッキに対してゲーム1で勝つことに集中します。
次に、メインデッキを決めたら、全てのトップのアーキタイプを調べ、メインデッキから減らすカードの枚数を決めます。
次にカードを追加し、優先順位の高い順に、打ち負かそうとしてくるデッキを確認し、サイドボードを構築します。
例えば、最近の私の優先順位が高い事項は「奇跡を倒す」ことです。
グリクシスデルバーをプレイしていると、奇跡相手に抜きたいカードが5枚ほどあります。
次に、5枚のサイドボードプランを選択し、サイドボードの15枚のうち、5枚のスロットを用意します。
《狼狽の嵐》のように、奇跡に有効かつ、コンボデッキを倒すためのカードがあるので、私はそういったカードを入れる予定のコンボデッキのスロットを確認します。
次に、他のデッキリストも確認し、この作業を続けます。
この方法により、「15枚の貴重なスロットをどのように割くか」「どのマッチでトレードオフを行うか」「サイドボードの最後に決まるスロット」を正確に知ることができます。
最後の数枚を知ることは、特定の戦略に勝つために調整をしている場合、どのカードを最初に入れるべきかを示してくれます!
Chapter3 一貫性のあるサイドボードプラン
サイドボードプランのもう一つの重要な側面は、一貫性です。
最近、デルバーが《苦い真理》をプレイしているのを見かけます。
私は、《苦い真理》が重要になりううとき、
(A)《相殺》に対する回答が入っていること
(B)全ての《目くらまし》を抜くこと
の2点が必要になると思います。
あなたが十分にリソースを持っていても、《相殺》の下ではあまり上手く機能しません。
また、同様に奇跡を倒そうとする場合、ゲームが長くなる際に、《目くらまし》は腐りやすいカードの筆頭です。
サイドボードの効果は、一貫性と共にあります。
私は、個人的にはグリクシスデルバーの《苦い真理》のプランは効果的だとは思いません。
多くの場合、カードアドバンテージは積み込まれた奇跡によって持っていかれます。しかし、4 色の《瞬唱の魔道士》を入れたタイプのデルバーは、カードアドバンテージを得る手段が組み込まれており、奇跡を倒すための道を持っています。
個人的な意見ですが、グリクシスデルバーは、奇跡に対して《目くらまし》を数枚残し、テンポをとる戦略に集中したほうが良いと思いますが、4Cデルバーは全ての《目くらまし》を抜いて、アドバンテージ勝負をするのが良いと思います。
Chapter4 キャントリップ入りの青いフェアデッキ
キャントリップを使うことの利点のひとつに、「多様なサイドボードを使える」という点と、「シルバーバレット戦略がとりやすい」という点があります。
デルバーデッキが非常に良いデッキ選択である理由のひとつに、「サイドボードの様々なシルバーバレットにアクセスできること」があり、《外科的摘出》《冬の宝珠》などのカードをサイドに1枚でも入れておけば、ゲームを完全に支配することが出来ます。
キャントリップは、サイドボードの枠を大きく削減します。そして、減った枠を慎重に活用することで、柔軟に多くの相手にサイドボードを用意することが出来ます。
Chapter5 キャントリップの無いフェアデッキ
たとえば、エルドラージのようなデッキについて。
ドロー操作を行えないデッキでは、サイドボードを確実にプレイするために、同じカードを何枚も積む必要があります。
《虚空の力線》は、エルドラージが選択した墓地メタのカードです。
なぜなら、マナがかからず、リアニメイトや土地単のようなデッキに対しても有用なカードだからです。
エルドラージのサイドボードは使えるカードの種類が少ないので、1種類のカードでも広い用途を求められます。
そのため、あなたはコンボキラーでもあり、コントロールキラーでもある《アメジストのとげ》をよく見るのです。
Chapter6 アンフェアデッキ
アンフェアデッキは、フェアデッキに対して、1ゲーム目の勝利はほとんど担保されています。
ANTのようなデッキは、《相殺》や《虚空の杯》など、メインの戦略で対応できないカードに対してサイドボードを必要とします。
結論
① サイドボード後のゲームは、サイドボード前のゲームよりもはるかに重要です。
したがって、長期的にみれば、フェアデッキはアンフェアデッキよりも優れています。
②あなたが仮想敵にしているデッキに対して、一貫したサイドボードプランがあるか確認をして下さい。
サイドボードプランを確認するだけでなく、テストをし、実際に機能することを確かめる必要があります。
③サイドボードを構築する際に、メタゲームを頭に入れて下さい。予想されるデッキに応じて、コンボに対して、リスクを回避するようなサイドボードプランを使ったり、フェアデッキに対して脅威を対処する手段を用意しましょう。
④青のドロースペルは、サイドボード後に、必要なカードを探すのにも役立ちます。そのため、より強力で効果の狭いカードを少ない枚数採用することが出来ます。
⑤キャントリップを備えていないフェアデッキは、必要なサイドカードを引く時間があるとは限らないので、多くの枚数をとる必要があります。
⑥アンフェアデッキは、対策カードを打ち破る以外にサイドボードをする必要はありません。メインデッキの一貫性を極力削がないようにしましょう。
BobHaung
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?