「茨の道には薔薇が咲いてるのよ。」
「いばらの道には薔薇が咲いてるのよ。」
若い時の苦労は買ってでもやってたわ。
あの頃のあたしは
険しい道のりが大好きなドMだったわ、完全に。
義理が廃れりゃこの世は闇よね、ほんと。
誰の歌だっけかな。
いつだってあたしは昭和初期の心意気よ。
そんな思考なもんだから
回り道を随分としていると思うけんど。
強くなるわな、そりゃあ。
その強さを握力で例えてみるとすれば
きっと西ローランドゴリラくらいは
あるでしょうよ。
握力....わかりづれぇ....
それでも可愛げだけは残してたいのだけどもね。
あえて進んだ茨の道は
あたしに中々の恩恵を与えてくれた気がするのです。
叩きのめされたこと数知れず、
その分だけ大きく優しくなれた気がするわね。
成長ってやつです。
今日も今日とて
懲りずにイバらってるあたしですが、
その道のり先々で
美しい薔薇が咲き乱れています。
多少の棘の傷のなんざぁ平気です。
薔薇の香りがあたしの傷を癒やしてくれるのですから。
あたしの道にはいつだって薔薇が咲き乱れております。
もちろん、あなたの道にもね。
そう、茨の道の先々で
薔薇たちがあたしを、あなたを癒やしてくれるから。
〜茨の道には薔薇が咲いてるのよ。