「マニキュアが乾く間に....」
10代の頃は
ネイルサロンなんてもの無かったから
もちろん、ネイルは自分でやる。
それに、「ネイル」なんて呼び方もしなかったわよ。
マニキュア。
足はペディキュアってな。
海外のドラマ何かに憧れてね。
こんなシーン
〜お風呂あがりに、桃色のタオルを頭に渦高く巻いて、ペディキュアを塗りながら電話する。
肩に挟んだ外国っぽい受話器に、
コケティシュな身体つき、
女の子のキュートが集まったような空気感が
たまらなく素敵に見えたわよね。
そうそう、
ペディキュアを塗る時は
なんだか、足の指にキャンディーみたいなコットンを挟んでたっけか....
実際は
そんなお洒落コットンなんか
なかなか手に入らなかったからね、
ティッシュ丸めたやつを足の指の間に挟むのよ。
そんで、部屋の中移動なんかした日にゃ、
挟んでたティッシュがあちこちに落ち散らかして
元の位置に戻って来た時、
「あれ?ティッシュないやん?」ってなる。
まあ、映画の世界とはかけ離れてよーが
電話がダイヤル式の黒電話でジーコジーコしてよーが関係ないわけよ。
そのマニキュアが乾くまでの間、
女を味わってたのよ、あたし。
なんか素敵な時間だったとつくづく思う。
最近ではあたしもテクノロジーに負けて
ネイルサロンでさぁーね。
色は決めんのめんどくさいから
毎回決まった赤の72番。
何かくっつけたりもしない。
ストーンなんてつけたら
もう気になって気になって、
指でイジリ回しますわよ、あんた。
なので、シンプルにしてる。
フットネイルは夏だけ自分でするくらい。
足の指って何かね、
見られるの恥ずかしいのよ。
爪も四角いし、指毛も生えてるし。
なので、どうしてもイキりたい時だけ
自分で塗るの。
ただねぇ....
あたしが赤いネイルを塗ると爪以外のとこに
とっ散らかるからね。
流血事件みたいになるわけよ。
そんな時、
不器用なのは高倉の健さんだけじゃないわねぇと
つくづく思うのよ、あたし。
「自分、不器用ですから。」
そうおっしゃる健さんに、
「いえいえ!自分も不器用ですから!」
と、言いたいわ。