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「ボンはたまにエエことを言う。」〜おそらく6.

「ボンはたまにエエことを言う。」〜おそらく6.


日々、丸々とトランスフォームしているあたしだわ。


40キロ有るか無しだったあの頃が懐かしい。


縦1ミリラインのハイレグだって
着こなす勢いだったのですもの。


まあね、
誰しもそんな輝かしい時代があるのよ。


そこにしがみついちゃあ居ないのだけんど、
懐かしんではいるわね。


48くらいまで
あたしは食べても太らねぇのだと思いこんでいたの。


「食べても太らないと思いこんでるから太らないのよ。」なんてな。


人にも言ったりなんかするよな
イキり散らかした女だったわ。


嗚呼、あの頃のあたしを即刻シバきたいわ。




50を過ぎて思うのは

「食べたら太る。」ってこと。


そう、肥えるのよ、人は。


そして、いらんとこに肉を付けていきやがるのよ。


二の腕、腹肉、アゴの下、

ありとあらゆる「いらんとこ」にロースを置いていきやがる。


そこいらに付いた肉は
これまた憎たらしいくらいに落ちないの。


いつまでもそこに鎮座し続けるわ。


あんなに簡単に付いたのにさ、
落とそうとするとしがみついて離れやしねぇわよ。


食べる量が変わらない、むしろ減っても
肥えるのは代謝のせいにしたいけんど


あたし、食べてるわ。



そうよ、食べなきゃ肥えないわよ。



だからっつって、
食事制限なんてこと出来る気がしない。 


意志の弱さが自慢なのよ、あたし。

そおね、「意志の弱さ世界大会」なら
3位くらいに入る自信があるわ。 

あたしの場合は
銅メダルじゃなくて"胴メダル"ね。

やだ、何を上手いこと言ってるのかしら、
あたしったら。



まあ、とにかく過去イチ太ってるあたしなのよ。



ある時ボンにふと尋ねてみたわ。

「痩せたほが良いわよね?」 

ボンは「いいや。」と言う。


「でもさ、やっぱり歳とったわよねぇ、あたし。」

「歳は誰でもとるよ。」
と、ボン。

ここで愚問を投げかけてみる。

「世の男たちは〜昔は綺麗だったのに〜と自分のこと棚に上げて美しかった頃の女に想いを馳せるものじゃない?
それでも、愛する気持ちは変わらないのかしら?それとも、愛は冷めてゆくのかしら?」


なんて。

するとボン、
「昔話しをする人は、自分が歳をとることに怯えているんだよな。」


変わりゆく人の姿を許せないのは
何より己の変わってゆく姿に怯えている人だと
ボンは言う。


「じゃあ、あたしがどんどん肥えて
入り口の扉から入らないほど肥えても好きでいれる?」


そんなことも聞いてみたら、


「入り口入らなくなる前に気づくやろ?」
ですって。


うん、正論だわ。


入り口入らなくなる前に
熟女ダイエットを始めようと思う、あたしでんす。



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