銭函に謎の祠を探しに行った話し
今から15年ほど前の2006年頃の話です。
とある不思議なご夫婦と、スピリチュアルジャーニーのようなことをしていた時期があります。
そのいきさつをかいつまんでお話しします。
私は物心ついた時から、目の前で誰か探し物をしていると、それがどこにあるのか頭に浮かんできたり、その時点ではまだ知らないことなのに、頭の中に事実として浮かんでいたりすることがよくありました。
幼い頃は誰にでも起きる当たり前のことだと思っていたのに、そのことを口にするとなぜ知っているのかと気味悪がられたため、なんとなく口にしてはいけないことのではないかと封印して生きてきました。
それを表に出すと決めたのは、2001年9月のことでした。その頃から占い師のお仕事も始めるようになりました。
その後、パワースポット展示会といった、いわゆるスピリチュアル系のイベントに時々顔を出すようになりました。
そこでとても話が合う、面白いご夫婦と知り合いました。
ご主人のNさんは、私と同じで、小さい頃から霊的なものが見えてきたのに、それを周りに理解されずに苦しんでいました。しかし彼は自力でその能力を活かす方法を見つけ、それを世のため人のために使えるまでに昇華された素敵な人です。
奥さんのTさんは北海道神宮の宮司さんをされていた方の娘さんで、祝詞を上げることができる、ほんわか不思議系の人です。
2人は人柄もよく、そのため知り合いがたくさんいました。
彼らはどこに行っても人が話しかけてくるのですが、そんな誰かとの会話で、最近どこどこの山の気が悪いとか、永い間放置されている祠があるらしい、などと聞くと、早速現地に行き、その場所を探して浄化するという、普通の人から見たら謎と思える行動をしていました。
当時の私は自営業で、フリータイムがたくさんあったため、よく彼らに誘われ一緒に浄化しに行きました。彼らに言わすと、浄化すべき場所に来たら私の何かセンサー(何でしょう笑)が発動するためわかりやすいとのことで。
ある時、彼らと一緒に
「小樽の銭函に古い祠があるらしい。海の方だと聞いている。どうやらちゃんと祀られていないらしくよくない気を出している」
というざっくりした情報を持ってその場所に向かいました。
銭函の海。一言で言いますが、町の一方向、全部海ですよね、というくらい海の範囲が広いのです。なのでその祠を探す前に、まずは山に行き、全体の様子を観察してから海に向かうことにしました。
とりあえず、車でぐるぐる回り、気が良くないと感じる場所を探します。
Nさんも同じなのですが、私は霊的な何かが近くにあると、とにかく体が痛くなるのです。頭、首の後ろ、指の関節、などなど。ある特定の場所が痛みだすので、なんとなくそうかなぁと勝手に思っているのですが。
山に着くと車を川を見つけたので、降りてあちこちを観察したのですが、私もNさんもTさんも、とある岩に触れると手首や指が痛くなりました。なのでその岩があった川を辿り、どんどん海に向かって降りていきました。
海に行き着く前に道がなくなったので、仕方なく行き止まりになっていた広い場所に車を停めて、海の方へ歩いていきました。三人ともが完全に勘だけを頼りにどこまでも歩いていきます。
歩いて渡れそうな小川をジャブジャブ乗り越えて、人がひとり歩けそうな道を歩いてくと、曲がり角の手前で突然ゾクゾクと奇妙な感じがして、私は足が止まりました。もう、一歩も動きたくない。となってしまうのです。
そこからがNさんとTさんの出番です。
二人は私をそこに残し曲がり角を曲がっていきました。そしてビンゴ~とニコニコ笑いながら戻ってきました。
曲がり角を曲がってすぐの崖のところに、小さな祠が無造作に置いてあったのです。私は遠くから見るだけで、そのそばまで進むことができません。
ところがです。二人が祝詞を上げて、ちょっとした儀式(お香を焚いたり楽器を鳴らしたり)的なことをすると、まるで霧が晴れていくように、清々しい気に空気が変化していきました。
歩きたくないと固まっていた足も普通に動きました。
祠の前に普通に立つことができました。
私たちは改めて手を合わせ、これからもこの場所を守ってくださいとお願いしました。
そのあと、海まで歩いていき、海岸に座り込んでしばらく海を眺めて帰ってきました。
それにしても、なぜかそういう儀式的なことをすると、甘いもの、特に大福かチョコレートが食べたくなるのは不思議です。
いつもそうなので、持ち歩ているチョコレートを食べて元気を回復をして家に戻りました。
誰かに感謝されるわけでもないし、本当に何かを浄化したのかも、私の目にはっきり見えたわけでもないし、単なる自己満足だったのかもしれません。一年くらいそんな不思議な旅を続けて、あちこちのパワースポットに足を踏み入れました。
そのあと私の仕事が忙しくなって、スピリチュアルなイベントに足を運ばなくなり、自由に行動できなくなったのと、Nさんが体調を崩して家で療養しなくてはいけなくなったのが重なり、そのようなスピリチュアルジャーニーはいつの間にか終わっていました。
もう十年以上お会いしていないけど、今でも時々楽しかったなあと思い出すのです。
年齢はそんなに離れていないのですが、三人でいると、まるで二人の娘になったような気がして、前世で本当にお父さんとお母さんだったんじゃないのかなと思っていました。
ファンタジーのようなお話で、信じるか信じないかはあなた次第です(*^_^*)
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