2・快楽に溺れる-1
先輩とは付き合っていないから、他の男と肌を重ねても結果的に浮気にもならない。
いろんな男と肌を重ねることを楽しんでいた。
ナンパにSNSにマッチングアプリ。
私を求める男がいるって。それだけで安心する。
「まあさ、理央がそれでいいなら私はいいけどさ。」
「いいんだか、悪いんだか分からなくなってる自分もいたりするんだよね。」
なんでも話せる友達は重要だ。
大学の時に仲良くなった友達はたくさんいたけど、働き始めてからも付き合いがあるのはこの瞳だけだ。
だいたい私のことを把握してくれている。
「理央が無理しない範囲で楽しめばいいよ。ただ、先輩との距離は考えたほうがいいと思う。」
正論でしか無い。
「瞳、ありがとう。多分だけど、先輩に対する気持ちを紛らわすために他の男とするんだと思うんだよね。」
「そうでしょうね。理央にいい人が見つかることを願うよ。」
こうやって自分の気持に整理をする。
「ただね、今すごい身体の相性が合う人がいるんだよお!」
先輩との身体の相性よりもいい人がいる。
ひとつ上で性欲が強い男。他の女の影はあるけど。
顔もタイプだったりする。
はじめという彼は一つ上で、仕事は力仕事系。
時間があれば連絡きて、暇が合えば一緒にいるような関係。
もちろん、セックスは必ずする。
私にも先輩とはじめともうひとりいた。
経験人数もかなりいるようで、そのことも普通に話を聞く。
結婚していたことも、子どもがいることも。
今は会っていないし連絡もとれていないようだ。
この時点ではじめという彼がヤバいやつだって気がつけばよかった。
つづく