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魚になるのか、釣り人になるのか。

先日、旅行に行った時のことです。友達と川釣りをしました。

一つ目のツイートも別の話に転用できると思うんですが、今回は二つ目のツイートの話を深掘りします。

特にこの文章のメッセージは、「前の付き合ってた人が忘れられないよ」と嘆き今この瞬間も苦しんでいる人に送りたいです。

すごくいい人と巡り会えた上に、その人に認められ、彼氏彼女の関係になった。ここまでは喜ばしく誰が聞いても微笑んでしまう。「おめでとう、幸せになりな」とエールを送りたくなる話です。しかし、人の縁とは不思議なものです。思うようにいかないから面白いのが人生というもので、この二人は別れてしまいます。どちらかが別れを切り出し、どちらかがそれを否が応でも受け止めなくてはなりません。「結婚」という社会的な契約ではなく、「彼氏彼女」という口約束での関係性であるがためにこの悲劇は起こり得ます。それが起こってしまったら仕方のないこと、自分の魅力のなさを反省してください。別れを切り出した方は、事前に心の準備をしてから「別れましょう」と自分で関係を終わりにできるのですから「これで別れられたスッキリした。さあ、次の恋愛に漕ぎ出そう」と前を向いて歩き始められます。しかし、別れを切り出された方は、いきなりの逆の意味の告白に驚き、心が乱れます。「え?どうして?」と困惑するに違いありません。ああいやこういやと相手を説得しようと試みても無駄です。だって相手はすでに心を決めて相手に打ち明けているのですから。

大人のようにすんなりビジネスライクに割り切って心を整えることができればそれが理想的だと思うんですが、子供の僕にはそれができなかった。その次の日はなんだか今までが嘘だったかのようにその日「彼女がいない」という事実を空虚ながらに味わいます。それでも実感がわかない。一週間経ってやっと「彼女はもういないんだ」と事実を受け止め始めるのです。しかし、なかなか忘れられない。HYの「366日」を聞いてもRADWIMPSの「me me she」を聞いても心というものは自分の思うようになってくれないものです。街のどこかで彼女に似た人間を探してしまう。え?今のは!と二度見しても別の人。自分で自分の作り出した影を追い続けてしまう。眠っている時の夢にさえ現れる。(古文の話なら嬉しいんでしょうけどね笑)

ここまで自分が追い求める相手と出会えたことは素晴らしい出来事なのですが、それに苦しめられるのはまた別の問題だと思うのです。ある時に僕は旅先で魚を釣り上げました。その帰り道、ふと気がついたのです。「俺は釣り針を飲み込んでいるから苦しいのだ。釣り針を取らなければならない」と。

元々、この文章タイトルは「心の奥に刺さった釣り針を抜かなくてはならない」にしようと思っていました。しかし、『メモの魔力』という前田祐二さんのメモの取り方を真似してやってみたところ別の結論が出ました。それは「魚になるのか、釣り人になるのか」というポジションをどう取るかこそが問題だということでした。

ハムレットの名台詞に「To be or not to be, that is the quesution 」とあるように「魚になるのか、釣り人になるのか、それが問題だ」と。

この別れて辛いよ(T ^ T)という状態は、魚になっている状態です。目の前の餌に食いつき釣られてしまった憐れな生き物です。しかも釣り針を奥まで飲み込んでいる。釣り人からすれば次の釣りもできないし、新しい釣り針を用意するのも大変です。だから飲み込んでいる部分までハサミを入れて針を抜き出します。魚は痛いでしょう。でも餌だと思って食いつき、飲み込んだのが間違いだったのです。今の心の状態を例えると、かつては運命の赤い糸が結びつけたはずの二人が別れてしまった。片方は、自ら糸を切ったが、もう片方は糸を切ることができない。糸はどんどん重く硬く鎖のように自らを縛り付ける。彼女があなたを離さないのではありません。あなたが彼女を離していないのです。滑稽でしょう。

「男と女」を「魚と釣り人」というフィルターを通して見てみましょう。
川が流れています。そこに登場するのは、釣り人です。魚を釣りにきました。食べるためなのか、釣りという遊びを楽しみに来たのかはわかりません。魚がいるポイントを見つけ、ウキを調整します。餌を釣り針に付け、川へ投げ入れる。魚がかかるのをじっと待つ。魚が餌に食いつき、ウキが沈む。ここまでくれば釣り人は竿を上げて釣り上げるだけです。お見事!魚が釣れました!
(僕はナンパ師?ナンパをする男性なのでこうなります)
世の中には女性がたくさんいます。僕は女の子を求めています。女の子とSEXがしたいです。ターゲットがたくさんいるポイントを見つけ、声をかけます。女の子が引っかかるのを待ちます。連れ出します。和みます。ホテル打診をします。ホテルに入ります。ここまでくればあとはいい雰囲気にして挿入するだけです。お見事!SEXできました。
(あくまでも単調に書くために「動詞」をメインに書いたのでぶっきらぼうな書き方ですが、もっと揺れ動くシーンはたくさんあると思います)
この場面では多くが「男が釣り人」「女が魚」というフレームで世界が構築されています。男が撒いた個人の魅力としての餌(顔、身体、声、匂い、トーク、ファッション、髪型、収入、将来性etc...)に女が食いついたわけです。ただ気をつけなくてはならないのが男も最初は女の餌(第一印象である顔やファッションなどの雰囲気)に食いついているのです。つまり、魚である時間が長いのか、釣り人である時間が長いのかがこの話のキモになりそうですね。

ここまで書く中で僕は一つの結論を出しました。それは「身体の中(心の中)に入り込んだ釣り針(心が苦しくなる原因)は取り出せない。消化すること、いや、昇華させるのが今考えうる一番の方法だ」ということです。彼女に振られて辛いのはわかる。苦しいよな。でもな、そのことばかりぐちぐち言っても幸せにはなれん。その経験は次のために存在する。失敗を受け入れて次の成功目指して頑張れや。つまり、その体験を自分の中で再定義することが重要だということです。再定義するために過去の出来事に意味づけをして上げてください。成功だったのか、失敗だったのか。それは自分にしかわかりません。それを踏まえた上で自分は未来をどうしたいのか。復縁したいならそれに向けて行動するしかありませんし、別の人を探すならそれに向けて行動しなくてはなりません。一番ダメなのは、痛いからと言ってその出来事から目を背けることです。自分は何を欲していたのか。それはあの人でないと手に入れられないのか。自分に問いを立てて答えを見つけるまで考え抜いてください。過去と他人は変えられない。自分と未来は変えられます。いまだに前の彼女が忘れられない人はまず自分を見つめてみることから始めてください。自分で自分を縛っていませんか。針を飲み込んで昇華ではなく消化しようとしていませんか。自分が何を欲しているのかわかっていますか。それを踏まえた上でこう問いかけてください。

あなたは魚になりますか。釣り人になりますか。


それでは皆様のよき、恋愛ライフを願っております。joy boyでした。






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