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#在り方
大人になって乗った観覧車は穏やかだった。
彼が観覧車に誘ってくれた。
正直に言うと
私は観覧車に乗ることに
あまり魅力を感じていなかった。
だってただ景色を観ているだけでしょう?
子供の頃は辺りが開けて
どんどん地上に昇っていくことにワクワクしていた。
ティーンの頃は好きな人と
二人きりの時間に胸を高鳴らせドキドキときめいていた。
だけど大人になると
何もせず外を眺めることが
なんだか時間を無駄にしているような気になってしまう。
昨日は彼と約一ヶ月ぶりのデートの日で
そのデートの間、私が感じていたのは
不安と恐れと寂しさだった。
私が望まなければ、
この手を離してしまえば、
会うことはもう無くなってしまうのでは…?
そんな感覚。
なぜそう思ったのか。
何か言われたわけでも
されたわけでもなくって…
なんとなくの温度差、
なんとなくのお互いの変化が
この人にとって私はもう必要ないのかもと、
そう感じさせたんだと思う。