石の上にも三年
新卒で働いた職場
最初はわけわからず勢いで
だんだん綱渡りのように
ゆらゆら
二年目はそんな状態で命綱もせず歩いてた
ガクンときて仕事に行けなくなった
「石の上にも三年だから頑張れ」と祖父が声をかけてくれた
その後限界を超えて仕事を辞めた
「あのとき、石の上にも三年と励まして苦しませた‥」
ポツリと祖父が言った
あのとき、頑張れって声をかけてくれる人がほとんどで
ゆっくり休んで復帰しなさいが数人
辞めていいって言ってくれた人はいなかったかもな
結局は辞める道を自分で選んで
もう戻らないことも覚悟して
辞めたから出会えたこと、気づけたことがたくさんあった
しんどくてつらいことを頑張ることもやめることも
どちらも素晴らしく
その時々の最善の選択が導く道があるのだろう
そして今祖父は少しずつ少しずつ彼方の世界に向かっている
「もうダメだ」と祖父がポツリとわたしに言った
ただ頷いた
がんばれもがんはらなくていいよもなんもない
そのままの言葉をわたしは受け取って
言葉を超えて通じ合っているなと感じた
石の上にもいたかったらいてもいいし、いなくてもいい
どちらも尊い選択
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