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20年前のこと覚えてますか?
水曜日。
「今年の十大ニュース」が話題になる季節になりました。
大谷選手のMLBでの活躍が今年は大きなニュース。テレビでもネットでも何度も取り上げられていますね。
そんな中、とあるサイトに「20年前のニュース、覚えてますか?」という記事がありました。
20年前。宝塚歌劇90周年。
次の10年で100周年ということからでしょうか。とても盛大で華やかな1年だった記憶があります。
わたしも新年から宝塚大劇場に花組『飛翔無限』『天使の季節』『アプローズ・タカラヅカ』を亡き母と連れ立って観に行きました。宝塚市内にも雪の積もる寒い日でした。
母は若いころ春日野八千代さんの熱心なファンだったので、ご病気から舞台に戻っていらした春日野八千代さんの姿をぜひ見てもらいたいと思ったのでした。
観劇前に花のみちセルカの中の雑貨屋さんで買い物をしたとき、店の奥にいた年配の女性が母に「よっちゃん(春日野八千代さん)毎日がんばってはるよ。お母さんもがんばりやー」と声をかけてくださったことを覚えています。
祝舞『飛翔無限』の春日野八千代さんは、足元は少しおぼつかなく見えましたが、扇をもつ手元、とくに最後の祝杯を飲み干す振りの指先がとても美しくて、心に残りました。
『アプローズ・タカラヅカ』では、銀橋の真ん中に現れて、スポットライトの描く三角錐の頂点に向けて手を伸ばしたおさ(春野寿美礼)ちゃんがとても美しく輝いていたこと、赤いお衣装で羽扇を持ったスターさんたちが次々と流れるように大階段を下りてきた華やかなプロローグが忘れられません。
このショーでは、各組のトップコンビが特出していたのですが、わたしたちが観劇したのは、前年末に大劇場を卒業されたりか(紫吹淳)さんが出演された日で、客席下りでファンに手を振ったり投げキッスしたり。それに歓声を上げるファンたち。そんな姿をうれしそうに見つめるおさちゃんの笑顔。とても幸せな記憶です。
この年は、5組の二番手スターをシャッフルして他組に特出するという企画もあって、私が贔屓にしていた瞳子(安蘭けい)さんは、宙組『ファントム』の初演に出演していました。
この頃も各組ともに路線級スターさんが目白押しで、特出でシャッフルされたスターさんはこの先どうなってしまうのか。組替えにつながることはないか、ファンたちは気を揉んだものでした。
実際、あさこ(瀬奈じゅん)ちゃんは花組から月組に、ちか(水夏希)ちゃんは宙組から雪組に、かしげ(貴城けい)ちゃんは雪組から宙組に組替えし、トップスターに就任されました。
わたしの個人的なことですが、この頃ある資格を目指して勉強していまして。
宝塚断ちを決心したのですが、90周年のさまざまなイベントに気をとられて決心を貫くことはできず。
そして、勉強中くじけそうなときは、花組『La esperanza』の歌を聴いて勇気づけられたりもしました。この作品はいまでも好きな作品で、いつか誰かの主演で再演してくれないかなぁって思っています。
110周年の今年。悲しい出来事があった後だけに、華やかなイベントもなく年が終わろうとしています。
この悲しみを風化させてはいけないと思いますが、宝塚歌劇はこれからも明るく華やかに、わたしたちに夢と希望を与える存在であってほしいなと思います。