小説みたいな日曜日の終わり
昨日、サングラスを失くした。
でも、それがきっかけで、不思議な縁に巡り会えた。
去年の夏、アウトレットで買ってから、気に入ってずっと付けていたから、あまりの寿命短さにしょんぼりした。
「ありました、昨日の忘れ物はそれしかなかったです、レイバンのピンクのレンズのやつですよね。」
今日のお昼、ダメ元で、昨日夜ご飯を食べたお店に電話すると、そう返ってきた。
「本当ですか!良かったです…!」
「いつ取りにこられますか?」
「あ、、、えっと、、じゃあ今日の夜くらいに取りに行きます」
ということで、
二日連続日暮里に行くことになった。
無事に昨日忘れたサングラスを受け取り、
家路に着こうとした。
でも、せっかく来たしな〜と、
気になっていたインドカレー屋さんで
夜ご飯を食べて帰ることにした。
店内はほぼ満席、
1人だと伝えると何とか席を準備すると言われ、案内されたのは入り口の大きなテーブル。
「ここは、現金のみですよ。ここ右に曲がるとセブンイレブンがあるから、注文してから現金おろしてきてください〜。」
愛想のいいインド人の店員さんからそう言われ、
ナスのスパイシーカレーと、ナンを注文し、
現金を下ろしに行った。
戻ってくるともう一名、おひとりさまがいらっしゃって、相席することになった。
その女性は、ほうれん草のカレーとナンと、ラッシーを注文していた。
「お姉さんもラッシー頼んだら、後でTEAをサービスするよ。日本で五か所しか飲めない上質な紅茶なんですよ。」とインド人店員さん。
「じゃあ、私もラッシーをお願いします。」
相席なんて滅多にしないから、少し気まずさを感じながら、やけに大きいナンと、あっさりしたカレーと、ラッシーをいただいた。
その後、店員さんに導かれ、相席をした女性と一緒に紅茶をご馳走していただいた。
「美味しい紅茶ですね、雑味がなくて」
「そうですね〜。茶器も可愛いですね」
なんて感じの、取り留めのない会話をしていたんだけれど、
「この辺に住んでいるんですか?」
「近くではないんですけど、たまたま寄ったので〜」
「よく日暮里にはいらっしゃるんですか?」
「実は普段は長野県にいて、用事があって東京に来てふらっと気になったので寄りました〜」
「え!長野ですか!私今仕事で長野県担当してるんです!」
そこから、長野トークで盛り上がり、嬉しくなって、帰り際、今日のお昼に買ったみかんをお裾分けした。
「2年目で、まだまだ何もわからなくて、毎日死に物狂いで働いてます…」
「石の上にも三年と言いますからね。あと一年は辛抱時ですね」
石の上にも三年…
本当にその通りだなと、頑張ろうと思えた。
昨日サングラスを忘れなければ、
今日日暮里に行かなかったし、
インドカレー屋で相席することなんてなかった。
愛想のいいインド人店員さんがいなければ、
紅茶のサービスを受けることもなかった。
名前も聞いてないし、連絡先も知らないけれど、
今日出会った不思議なご縁に凄くほっこりした。
世界は大きいようで小さい。
またどこかで会えますように。
なんだか小説みたいな1日だったから、
帰りの電車でnoteに記録しています。