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海外に興味はありません

今の会社の同僚(20代~30代)で、海外に行ったことがない、という人は多い。ゆえに、パスポートも持っていないと。

私が20代の頃、長期の休みが取れると海外へ行く人は多かった。
近場だとタイ、香港、台湾、シンガポール、カンボジア等。ちょっと奮発してフランスや、オーストラリアへ行く人もいた。
当時、私が働いていた会社は、そもそもの年間休日が少なく、土日祝休みでもなかったから、自分の仕事の都合をつけたら、リフレッシュ休暇と有給を組み合わせて、みんな、ここぞとばかりに遠出した。

今の会社は、普通に土日祝日休みだし、週末行こうと思えば韓国くらいなら行けてしまう。
某国際機関に勤めている時は、年齢関係なく、周りは留学やボランティア等の海外経験者ばかりだったので、今の会社の同僚たちが、海外へ行くことに保守的なのだろう。

円安の今、海外へ留学どころか旅行へ行く人すら少なく、日本人の海外離れが深刻である、という新聞記事を読んで、ほぉーっとなった。

確かに、為替の影響は大きい。お金は大事だ。
しかし、いつまでも円高になるのを待っていたら、見たい時に見たいもの見て、行きたい時に行きたい場所へ行くことができないではないか。
海外行ったことないです、という子たちを見ていると為替がどうこうよりも、そもそも違う国へ行くことや、そこでの体験にあんまり興味がないんだろうな、と思う。

逆に、なぜ私は海外に行くことに興味があるのか。
今は猫がいるから、国内の旅行だって日帰りくらいしか行けないけれど、面倒見てくれる人がいるなら、行きたいところはたくさんある。

フランスへ行ってルーブル美術館で絵画鑑賞と、ゴッホと藤田嗣治の聖地巡礼がしたい。台湾に行って思う存分美味しいものを食べたい。
インドはアンタッチャブルすぎて楽しめる自信がないけれど、タージマハルは死ぬ前に見たい。フィンランドでサウナを楽しむのもいいし、ニュージーランドの大自然も体験してみたい。ウズベキスタンでモスクを見たいし、エジプトのピラミッドも見たい。

世界ふしぎ発見!的な好奇心が私にはあると思う。
美しい景色や荘厳な歴史的建造物を見て感動したり、その国の歴史的背景を調べて、自分なりにいろいろ考察したりして、知的好奇心を満たすのは楽しい。

例えば、数年前にマレーシアを旅行した時、ペトロナスツインタワーを見た。
ペトロナスとは、マレーシアの石油会社の名前。タワーのデザインはアメリカ人によるもので、タワーの建設は日本と韓国によるものらしい。

ペトロナスツインタワー

この話を聞いたとき、マレーシアはお金はあるけど、モノを作る力はないのかな、と思った。日本だったら、絶対日本の建設会社が建てる。
こういうことを一つとってみても、その国のあり方や、国際的な立ち位置みたいなものが、うかがい知れて面白い。
こんな感じのことを、見て、知って、考えて、ほおーっとなりたいわけです。

冒険や探検している感覚も楽しい。
違う国の空の色を見て、異国の空気を感じて、聞いたことがない言葉を聞いて、つかの間の異邦人になるのは面白い。

でも、やっぱり一番は、この目で見たい。という気持ちだ。
VRを使えば、自分の部屋にいながら、目の前にアンコールワットや、壮大な景色が見えるかもしれないけれど、わくわくしながら準備して、飛行機に乗って疲れて、どきどきしながらその地に向かって、本物を体験する感動はベツモノだ。
空気の匂いや、人々の見た目や、雰囲気の違い。
その一つ一つが、見た景色、食べた物への感動に繋がっているから。

海外に出ることは、お金も時間も体力も、場合によっては勇気もいることだけど、私の経験上、それ以上のものが返ってくる。
その返ってきたものは、例えば英語力とか、将来につながる何かとか、目に見えるものではないかもしれないけれど。

私は結構いい年になるまで、ずっと田舎の閉鎖的な空間で生きてきたから、その反動もあるのかな。
東京みたいな都会で生まれ育っていたら、また違ったからもしれない。

とりあえず、日本の外を体験するのって楽しいですよ、と言いたい。
ただ、それだけです。

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ルル秋桜
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